長い1日の戦いの果てに 決勝進出は惜しくもならず

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【準決勝 小原が満身創痍ながらも決勝、のはずが……】

準決勝は2組12人の戦い。1組には中野慎詞に加えて以下のメンバーとなった。

中野慎詞(日本)
ミカエル・ヤコフレフ(イスラエル)
ハリー・ラブレイセン(オランダ)
サム・デイキン(ニュージーランド)
ケビン・キンテロ(コロンビア)
マシュー・リチャードソン(オーストラリア)

レースは前からデイキン、キンテロ、ラブレイセン、中野、ヤコフレフ、リチャードソンの順で進む。ペーサーが退避して、残り2周半。中野と中野の前にいたラブレイセンが同時に動き出す。残り2周となってデイキン、キンテロ、ヤコフレフの順で内側、キンテロと並走してラブレイセン、続いて中野。

ラブレイセンについていきたい中野だったが、ヤコフレフが外に張り出してくると、強引に中野のポジションに入り、中野は少し遅れてヤコフレフの後ろとなってしまう。

レースはラブレイセンが先頭に出て、ヤコフレフが並走。中野は5番手まで位置を下げて最終周回へと突入する。

残り半周を切ってヤコフレフが加速すると先頭へ。2番手にラブレイセン、3番手にはデイキン、中野は位置を上げようとするが、3コーナー付近で最後尾にいた選手と接触して、最後は失速。

このレースを6着として7-12位決定戦へと回る結果となった。

【準決勝第2組 山﨑、小原の勝負どころ】

山﨑、小原が出場した準決勝第2組。メンバーは以下となった。

山﨑賢人(チーム楽天Kドリームス)
小原佑太(日本)
アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
ジェフリー・ホーフラント(オランダ)
トーマス・コーニッシュ(オーストラリア)
ムハンマド・シャローム(マレーシア)

ペーサー退避前の並びはホーフラント、山﨑、シャローム、コーニッシュ、小原、アワンの順。ペーサーが退避しての残り3周。後続の選手たちが一斉に動き出すと、小原が先頭へと飛び出る。残り2周の時点で並びは小原、アワン、コーニッシュ、ホーフラント、そして5番手に山﨑が続く。

直ぐに小原をかわして先頭に立ったのはアワン。そしてコーニッシュが2番手、小原が内側に詰まる形で3番手、小原と並走してホーフラントの順で目まぐるしく展開が変わりながら、最終周回へ。

並びを変えないまま粘る先頭のアワン、内側から前方を伺う小原、外からはホーフラント、そして山﨑は真ん中から決勝進出をかけて加速していく。最後はひと塊となって飛び込んだ選手たちだったが、アワンが粘り切っての1着、2着にホーフラント、3着に小原とコーニッシュが並んでフィニッシュ。写真判定となったが、決勝進出をかけた3着争いは僅かに小原が先着した。

しかし、小原はフィニッシュ直後にコーニッシュと接触して落車し、更には走行違反で降格となってしまう。結果、最終順位を6着として、決勝進出はならず。山﨑は小原とホーフラントが降格となったことで6着から4着へ繰り上がりとなったが、決勝進出はできなかった。

男子ケイリン準決勝結果PDF

【決勝:王者の貫禄勝ち】

コーニッシュ(オーストラリア)
アワン(マレーシア)
ヤコフレフ(イスラエル)
ラブレイセン(オランダ)
デイキン(ニュージーランド)
シャローム(マレーシア)

頂上決戦は残り2周で前に出たラブレイセンがアワンとのデッドヒートを制して1着。世界チャンピオンの貫録を見せるレースで優勝を果たした。

2着にアワン、3着にヤコフレフとなった。

【日本勢の順位決定戦】

7-12位決定戦は日本の小原、山﨑、中野に加えてホーフラント、キンテロ、リチャードソンの6人での着順争い。

中野、リチャードソン、キンテロ、山﨑、小原、ホーフラントで進むレース。残り3周となり、山﨑が動くと、位置を4番手から2番手へと上げていく。しかし、これを嫌ったリチャードソンが山﨑をけん制すると、元の4番手にまで位置を戻す山﨑。

その間に残り2周となると、中野が先頭で加速していき、長い一列棒状となった選手たち。中野の動きによって小原とホーフラントが遅れてしまい、残り1周では前の4人の勝負となった。

最終周回では2番手のリチャードソンが外から中野をかわして1着。キンテロが続いて2着。後ろから飛び込んできた山﨑が3着、中野が4着、小原が5着、最後はホーフラントとなった。

しかし、レース後に山﨑がスプリンターレーンに相手がいる際に侵入したとして降格。

日本勢の最終成績は中野が9位、小原が10位、山﨑が12位、寺崎は20位という最終結果となった。

男子ケイリン最終結果PDF

小原佑太選手インタビュー

Q:本日のレースはいかがでしたでしょうか?

正直、体調が悪く、コーチから「出場を辞めるか」と言われるような状態でした。ただ、ナショナルチームの看板を背負っているので、オリンピックポイントも関わるため、出なければ、と思って責任を持ってレースに臨みました。そのような状態でも残り2周から逃げての上がりタイムが9秒7だったりと、世界チャンピオンと同等のレベルで走ることが出来ました。ですから脚力は悪くないと思います。

Q:本日の収穫は?

いかに身体の負担を減らしてレースを行うのかを考えてレースをしまいた。それで最後まで走れたので、今までとは違ったアプローチが出来たと思います。