自分がしたいことをやるレース
Q:年始にニュージーランドで開催された『ケンブリッジGP』では、出場した全種目で優勝しました。ご自身の感触はどうでしたか?
出場メンバーがわからない状態で行ったので、すごくドキドキしていました。行ってみて、走ってみて、ハロンタイム(スプリントの予選)を見て……自分が1番のタイムで上がっていると確認したところからは、「対相手」というよりは「自分が成長できるレース」を常に考えていました。
たまたまその積み重ねが勝ちに繋がっただけだと思っていますし、勝ちましたが「自分がやりたいレース」ができなかったレースもたくさんありました。
結果だけを見たら良いですが、課題はたくさん見つかりました。でもその「課題が見つかった」という点も含めて、良いニュージーランド戦だったなと思います。
Q:その「課題」を教えてもらえますか?
スプリントでの対戦の技術です。ミスをするポイントは大体決まっているんですが、それをひとつひとつ「ちゃんと」ミスして、学んでいったなと思います。これがネーションズカップで出ないようになれば良いと思っています。
Q:『ケンブリッジGP』では強力な選手が揃ったわけではなかったと思います。とはいえ勝ったこと自体は自信に繋がる、といったレースでしたでしょうか?
予選のタイムや、対戦で「できること」が増えていくことこそが、自信に繋がるものでした。逆にミスをしたことに関しては、こういった大会でミスしておくことがネーションズカップでの成功に繋がると思います。経験を積めたことが大きかったです。
脚力は練習した分だけ成長するものだと思います。でも技術やテクニックといった「自分で感覚を掴むこと」が必要なことや、経験+頭の中のイメージも、選手としての成長には重要になってくると思っています。
見られるのは快感!
Q:『ケンブリッジGP』は3日間のレースでした。国際大会出場歴が少ない太田選手が初日に優勝したことで、周囲から「何者だ、あいつは?」のような反応はあったのでしょうか?
ネーションズカップで入賞している選手もいるような中で、たぶん誰も僕のことを知らない状態だったと思います。そこから「見られる選手」になっていくのは……快感を感じました(笑)
「強い人の振る舞いをしなければいけないな」と思ったので、それだけの視線は感じていたと思います。
Q:プレッシャーは感じましたか?
プレッシャーは……いつもと変わらずですね。適度なプレッシャーはありました。
Q:見られるのが快感というお話でした。選手によっては「そんなに見ないで……」という選手もいますけど、まだまだ見られても平気ですか?
そうですね。見られている中で「自分のやりたいこと」を行いたいと思っていました。昔から見られることは好きなので、そういう舞台で戦いたいと思います。それは世界選手権やオリンピックで戦いたいな、という思いにも繋がっていきますね。