2023年2月、自転車トラック競技のシーズンが本格的にスタートする。皮切りとなるのは2月23日よりスタートする『ネーションズカップ第1戦』だが、この記事では「これがどのような大会なのか」そして「初心者にこそ見ていただきたい理由」をご紹介していこう。

年に3回実施される、ハイグレードの国際大会

『ネーションズカップ』は年に3回実施される、自転車トラック競技の国際大会。2023年は以下の日程・場所で実施予定。

日程 開催地
第1戦 2月23日〜26日 インドネシア・ジャカルタ
第2戦 3月14日〜17日 エジプト・カイロ
第3戦 4月20日〜23日 カナダ・ミルトン

自転車トラック競技の主要大会には「世界選手権」「大陸選手権」「国内選手権」……などなどいくつかの種類があり、その大会の規模によってランクが付けられている。ネーションズカップは「世界選手権&オリンピック」の次にレベルの高い大会(上から2番目)として位置づけられている、重要な大会だ。

▼大会の種類・ランクは以下の通り。上部ほどランクが高い。

世界選手権、オリンピック
ネーションズカップ 年3戦
大陸選手権 アジア選手権、ヨーロッパ選手権など
クラス1 各地で開催される国際大会。ジャパントラックカップなど
クラス2 各国選手権や、クラス1の条件に満たない国際大会だが3カ国以上の参加がある場合

「ランク」がUCIポイントに直結する

ここまで「大会のランク」という言い方をしてきたが、このランクによってUCIポイントの配分が大きく変動する。よりレベルの高い大会で成績を残せば、より多くのUCIポイント獲得となる。

例えば、各大会の個人種目でメダルを獲得した場合、計上されるUCIポイントは以下の通り。

世界選手権、オリンピック ネーションズカップ 大陸選手権 クラス1 クラス2
1位 1000 800 600 200 100
2位 900 720 540 180 90
3位 800 640 480 160 80

※個人種目の獲得UCIポイント数 UCI Regulation TRACK RACES 「3.3.010bis」

つまり「ネーションズカップで勝つこと」はUCIポイント獲得において非常に重要ということとなる。そしてこのUCIポイントの積み重ねは、ひいては「2024パリオリンピック」にも繋がってゆく。

2023シーズンよりオリンピック選考期間突入

AUGUST 8, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

「2024パリオリンピック」へ出場するには、その直前の2シーズンの主要大会で良い成績を残し、「UCIトラックオリンピックランキング2022-2024」の上位に入る必要がある。

「UCIトラックオリンピックランキング2022-2024」の計算対象となるのは、以下の通り。

パリオリンピック開催直近の『大陸選手権』2大会でのベスト順位
2023年と2024年の『ネーションズカップ 』における、それぞれの年のベスト順位2つ
『2023世界選手権トラック(エリート)』でのベスト順位

参照:Olympics.com

順位・ポイントが出たらその後少しややこしい計算をしてランキングが決まるが……ここでは「2023シーズンの国際大会は、どれも『負けられない戦いである』」ということだけご認識いただきたい。

その中でも「上から2番目に高いポイントが取れる」ネーションズカップは、かなり重要な位置を占めることとなる。

▼計算方法など、詳しく知りたい方はこちら

『2024パリオリンピック』の出場枠獲得方法が明らかに!【トラック競技】

ネーションズカップ第1戦は初心者にやさしい?

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