2023年シーズンの主要チームは?

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「ナショナル型」チームが新設傾向あり?

その他2023年シーズンに向けたトラックチームにて変化が見られたのは、「ナショナル型(仮)*」チームの増加。各国で活躍するトップ選手を多く擁するチームのことだ。

※「ナショナル型」:本記事内便宜上での呼称

Team Inspired

オリバー・ウッド WOOD Oliver, TIN, Point race, Men's Omnium, 2022 Track Nations Cup, Glasgow, Great Britain

オリバー・ウッド

最も顕著な変化が見られたのはイギリス国籍の「Team Inspired」。2022年シーズンではオリバー・ウッドなどが活躍していたチーム。

2022年チームも十分強力なチームだったが、2023年シーズンでは「Team Inspired」に登録されている選手が42人に急増加している。そしてその多くが世界選手権のメダリスト。

2022年シーズンでは「Team Breeze」と「Team Wales」を合わせ3つのイギリス国籍のチームが登録されていたものの、2023年は「Team Inspired」のみとなっている。

カナダも「ナショナル型」を新設

ローリン・ジェネスト GENEST Lauriane, ケルシー・ミシェル MITCHELL Kelsey, サラ・オルバン ORBAN Sarah, CAN - Canada, Women's Team Sprint, 2022 Track Nations Cup, Glasgow, Great Britain

(左から)ローリン・ジェネスト、ケルシー・ミシェル、サラ・オルバン

2022年シーズンまでトラックチームを有していなかったカナダからも、新たに「National Cycling Insitute Milton(NCIM)」が登録。

女子短距離のケルシー・ミシェルやサラ・オルバン、ローリン・ジェネスト、男子短距離のニック・ワメスほか国内有力選手を含む8人が所属している。

独自のタレント発掘・育成プログラム各地域に根付くサイクリングクラブ等の影響もあり、期待の若手選手を輩出しているカナダ。

既にトップレベルで活躍している選手はトラックチームで、若手・新人選手はナショナルチームで、という棲み分けを狙ってのことなのかもしれない。

より大勢に実戦を積ませ、総力を底上げ

ローレン・ベル, BELL Lauren, ソフィー・ケープウェル, CAPEWELL Sophie, エマ・フィヌカン, FINUCANE Emma, GBR, Women's Team Sprint, 2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

以上でご紹介した「ナショナル型」のトラックチーム。イギリスもカナダもトラック・自転車競技において先進国と言えるほどの環境や実力を有している国だ。

「トラックチーム」と「ナショナルチーム」2つの形態を”活用”し、より大勢の選手に実戦レースでの経験を積ませる、という本制度の趣旨の1つを体現しているようにも窺える。

最大の目標である「世界一」を獲るために、各ナショナルチームの底上げを狙った動きなのだろう。

小林優香 KOBAYASHI Yuka, JPN, 梅川風子 UMEKAWA Fuko, RKD, 1/16 Finals, Women's Sprint, 2022 Track Nations Cup, Milton, Canada

そしてこれは日本国内のトラックチームにも言えることだ。各々が所属するトラックチームは違えど、ともに日本代表として「世界一」を目指している。

最大の舞台「ネーションズカップ 」は2月開幕

トラックチームが出場できる最大の舞台である「UCIトラックネーションズカップ 」の2023年大会は、2月からインドネシアにて開幕予定。どんなチームが参戦してくるのだろうか。

今後もトラックチームとともに成長する各国のトラック競技に要注目だ。

2023シーズンUCIネーションズカップ開幕戦、インドネシア・ジャカルタでの開催が決定