東京オリンピックが終わり、2024パリオリンピックに向け最初の1年となった2022年シーズン。本記事では2022年シーズンにおける、日本国内トラックチームのランキングを振り返っていく。
「UCIトラックチーム」の制度発足から2年目を迎え、各国内チームは世界においてどのあたりに位置しているのか。『2022世界選手権トラック』終了後の2022年10月18日に更新された、「UCIトラックチームランキング」をもとに見ていこう。
2022年シーズンの国内チーム
2022年シーズンを戦った国内トラックチームは以下の3つ。
・Dream Seekers Racing Team
・チームブリヂストンサイクリング
・チーム楽天Kドリームス
UCIトラックチームランキングとは
まずはそもそも「UCIトラックチームランキングとは?」を簡単にご説明しよう。
UCIが作成する公式ランキングには「個人ランキング」「ナショナルチームランキング」「トラックチームランキング」の3種類があり、どれも毎週更新されている。
トラックチームランキングとは、トラックチームを各種目・カテゴリー(男女エリート)ごとに順位付けしたもの。各所属選手が各大会で獲得したUCIポイントを加算していき、算出されるのがトラックチームとしてのポイント。そのポイント順にランキングが作成される。
重要なのは「所属選手」の獲得ポイントが加算されていくこと。ある大会に自身の所属するナショナルチーム・トラックチームのどちらから出場しても、その大会で獲得したUCIポイントは、両所属チームのポイントとして加算される。ただしネーションズカップのみ例外で、出場(エントリー)したチームしか選手の獲得ポイントを加算できない。
例えば、「トラックチームA」に所属する日本人選手Bが、以下のような大会のケイリン種目にエントリーし、全て優勝したとする。
大会 | エントリーしたチーム | 選手の獲得ポイント |
世界選手権 | ナショナルチーム | 1000 |
ネーションズカップ | トラックチームA | 800 |
アジア選手権(大陸選手権) | ナショナルチーム | 600 |
ジャパントラックカップ I | トラックチームA | 200 |
ジャパントラックカップ II | ナショナルチーム | 200 |
全日本選手権 | トラックチームA | 100 |
UCI Regulations TRACK RACES P.57
※世界選手権・大陸選手権にエントリーできるのはナショナルチームのみ。
以上のような成績を日本人選手Bが残した場合、日本ナショナルチームに加算されるのは「2100ポイント」、トラックチームAに加算されるのは「2900」ポイント。ネーションズカップにはトラックチームAとしてエントリーしているため、本大会で獲得した800ポイントは、トラックチームAのみに加算される、という仕組みだ。
その他そもそも「トラックチームとは?」という方は以下記事をご覧いただきたい。
何のためのランキング?
トラックチームランキングは主に「ネーションズカップの出場枠」を獲得する際に必要となるもの。
それぞれの種目・カテゴリー(男女)において、ネーションズカップ全3戦に出場できるのは5チームのみ。
各シーズンの第1戦から6週間前に算出されたトラックチームランキングにおいて、上位5チームのみが出場権を獲得できるのだ。