UCIトラックチャンピオンズリーグ最終戦となった第5戦、女子カテゴリーではジェニファー・バレンテ(アメリカ)が中長距離の総合優勝、マチルド・グロ(フランス)が短距離の総合優勝を遂げた。全5戦にわたるシリーズの最終戦、女子種目のレポートをお伝えする。

UCI Track Champions League, Round 5 London

トラック競技のエンタメ化を推進するために実施されている『UCIトラックチャンピオンズリーグ』。これまで4戦を戦い抜いてきたが、12月4日には2022シーズンのグランドフィナーレとなる最終戦がロンドンで実施された。

短距離(スプリント/ケイリン)、中長距離(スクラッチ/エリミネーション)、男女に分けられて全4カテゴリーで行われる大会には、各カテゴリーに18人、全カテゴリーで72人の精鋭が集結。各レースの順位によって得ることが出来るポイントの合計で総合順位を競う。

女子中距離の最終戦前の総合成績は以下の通り:

1位:ジェニファー・バレンテ(アメリカ:131ポイント)
2位:ケイティ・アーチボルド(イギリス:123ポイント)
3位:アニータ イボンヌ・ステンバーグ(ノルウェー:89ポイント)
4位:マギー・コールズリスター(カナダ:84ポイント)
16位:内野艶和(日本:11ポイント)

開催国イギリスのエース、アーチボルドがトップ争いをしているため、2強対決の結末が注目された。

レース巧者のバレンテ ポイント差を『2』縮めたアーチボルド

スクラッチは20周5kmで争われた。中盤ではアーチボルドによるアタックもあったが、バレンテがアーチボルドを徹底マークし、トップ争いに大きな変化は無いまま終盤へ。

終盤ではクロエ・モーラン(オーストラリア)とサラ・バンダム(カナダ)が集団から抜け出すことに成功するが、トップ争いに絡まない選手たちのため、観客の注目はレースのトップ争いではなく、集団内のアーチボルドとバレンテの戦いとなる。

クロエ・モーラン, Chloe MORAN, AUS, UCI Track Champions League, Round 5 London
サラ・バンダム, Sarah VAN DAM, CAN, クロエ・モーラン, Chloe MORAN, AUS, UCI Track Champions League, Round 5 London

クロエ・モーラン(オーストラリア)とサラ・バンダム(カナダ)

モーランとバンダムが先着すると、熱を帯びたのは後方の集団スプリント。

アーチボルドが集団の先頭を走り、3位でフィニッシュ。そのすぐ後ろにはバレンテが4位でフィニッシュし、アーチボルドがレース前にあったポイント差を『8』から『6』に縮めることに成功した。

内野は集団後方15位でフィニッシュ。

スクラッチ結果PDF

エリミネーション

女子中長距離の選手たちにとって今シリーズ最終レースとなるエリミネーション。レースがスタートすると一気にペースが上がり、1人ずつ集団から除外されていく。

序盤、3回目の除外周回ではイギリスで最もスポーツ選手として成功した女性と称されるローラ・ケニーが除外される。そして迎えた5回目の除外周回で内野艶和が内側に詰まってしまい、除外されてしまう。内野にとっての最終種目は14位となった。

レースは人が減るごとに会場が盛り上がっていき、残り4人に名を連ねたのはアーチボルド、バレンテ、マギー・コールズリスター(カナダ)、そしてミケイラ・ドルモンド(ニュージーランド)。

この時点でアーチボルドとバレンテのトップ争いは6ポイント差。

ポイントは1位が20、2位が17、3位が15、4位が13得られるため、なんとしてでもバレンテをここで除外しなければならないアーチボルドだったが、残り3人となる除外周回でいなくなったのはドルモンド。この時点でバレンテが総合優勝を事実上決めた。残り3人となったレースで次に除外されたのはコールズリスター。

残ったのは、ここまで総合優勝争いを繰り広げてきたアーチボルドとバレンテ。勝負は、既に優勝を決めていたこともあってか、バレンテがアーチボルドに前を譲る形で、開催国の観客を沸かせた。

エイミネーション結果PDF

女子中長距離の全レースを終えて、総合優勝はジェニファー・バレンテ。2020東京オリンピック・オムニアムの金メダリストが新たなタイトルを獲得し、リーダージャージを守りきる結果となった。

2位はケイティー・アーチボルド、3位はマギー・コールズリスター、内野艶和の最終成績は16位。

2022シリーズ女子中長距離 結果PDF

グロ ケイリンは6位もポイント差をキープ

1/2 Page