スペインのマヨルカ島で開幕した2022UCIチャンピオンズリーグ。女子中長距離では2020東京オリンピックオムニアム金メダルジェニファー・バレンテが好成績を収め、日本から参戦した内野艶和は総合18位でシリーズのスタートを切る結果となった。

ジェニファー・バレンテ Jennifer Valente, ハリー・ラブレイセン Harrie Lavreysen, マーク・スチュワート Mark Stewart, シェーン・ブラスペニンクス Shanne Braspennincx, UCI Track Champions League, Round 1: Mallorca

2022UCIチャンピオンズリーグは11月12日から全5戦の日程で欧州各国で実施されるシリーズ戦。

トラック競技の振興とエンタメ化が目的で、競技の中でも人気の高いケイリン、スプリント、スクラッチ、エリミネーションの4種目だけを行い、世界各国から招待された72人(短距離男子18人、女子18人、中長距離男子18人、女子18人)の選手たちが12月4日に予定のグランドファイナルの総合優勝をかけて戦う。

その開幕戦が、11月12日、スペイン・マヨルカ島で実施された。このシリーズ戦に日本から内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が女子の中長距離に、中野慎詞(チーム楽天Kドリームス)が男子短距離に参戦。

中野慎詞は総合8位 トップ争いはラブレイセンとリチャードソンの2強/2022UCIトラックチャンピオンズリーグ

女子の中長距離に出場する選手たちは”チャンピオンズリーグ”と名付けるにふさわしいスター選手たちとなった。

UCI Track Champions League, Round 1: Mallorca

イギリスからは同国女性アスリートとして最も成功したと言われるローラ・ケニー。そのローラ・ケニーとコンビを組み、2020東京の女子マディソン種目、初代チャンピオンとなったケイティ・アーチボルド、2020東京のオムニアムで金メダルを獲得したジェニファー・バレンテ(アメリカ)などが出場。

前回大会チャンピオンの実力 女子スクラッチ

2021年大会の女子中長距離で総合優勝を収めたアーチボルドが残り3周から動き出すと、最終周回では先頭へと躍り出る。実力を見せたア―チボルドが圧巻のレースで女子スクラッチを制する形となった。

2位には今大会開催国のタニア・カルボ(スペイン)、3位には最後に外から追い込んできたジェニファー・バレンテ(アメリカ)。

内野は残り5周を切ると少しずつ位置を下げていってしまい、最後は18位でフィニッシュラインを通過した。

アーチボルドの失敗 着実に積み上げる他の強豪 女子エリミネーション

スクラッチで調子の良さを見せたアーチボルドに期待が掛かるなか始まったエリミネーションだが、最初の除外周回で何と暫定トップのアーチボルドが除外される展開となる。

最後尾付近で入っていたアーチボルドだが、外に出るコースが空いておらず、最後は内側から除外を回避しようとしたが間に合わず。大本命の選手がいきなり除外される事態となる。

次の除外周回を挟み、3回目の除外周回では内野がアーチボルドと同じ形で行き場を失い、内側から攻めるが除外されてしまう。内野はこのレースの成績を16位とした。

アニータ イボンヌ・ステンバーグ Anita Yvonne STENBERG, UCI Track Champions League, Round 1: Mallorca

一方で優勝争いに絡み、タフネスさを見せたのはアニータ・ステンバーグ(ノルウェー)。サバイバルレースを勝ち抜生き、最後にはジェニファー・バレンテを下して、この種目での勝ち名乗りを挙げた。

2位はバレンテ、3位にリリー・ウィリアムズ(アメリカ)といった結果となった。 第1戦を終えて、種目ごとの勝ちはなかったものの、ジェニファー・バレンテが女子中長距離の総合トップとなっている。内野は18位で、第2戦からの巻き返しが期待される。

女子中長距離結果(PDF)

ドイツ勢が不調 混戦の短距離

短距離では、世界選手権のケイリンで活躍したフリードリッヒ(ドイツ)が不調なのか精細を欠く走りとなり、マーサ・バヨナ(コロンビア)が先勝。

一方スプリントは世界を制したマチルド・グロ(フランス)が実力を示して第1戦を制した。

しかしながら、短距離2種目の順位によって総合成績を決めるため、現在の総合トップはシェーン・ブラスペニンクス(オランダ・東京2020ケイリン金メダル)、2位にオレナ・スタリコワ(ウクライナ)、3位にマーサ・バヨナ(コロンビア)となっている。

女子短距離結果(PDF)

第2戦は11月19日(現地)ドイツ・ベルリンにて開催

第2戦は11月19日にベルリンにて開催。日本時間では20日03:00~となる。第1戦に引き続き、スピードチャンネルで生放送が予定されている。是非エンタメ性に特化した大会をご覧いただきたい。