最終種目 ドラマチックなフィニッシュ 今村は……
最終種目はポイントレース。これまで3種目の総合ポイントに最終種目で得たポイントが加算されていく。レースは25km、100周回、10回のポイント周回で実施される。10周ごとに先頭で通過した順から5、3、2、1ポイントを加算していく。
暫定トップ5は以下の通り:
イーサン・ハイター 110ポイント
アーロン・ゲイト 106ポイント
今村駿介 100ポイント
ベンジャミン・トマ 96ポイント
エリア・ビビアーニ 96ポイント
レース序盤、今村がなかなかポイント獲得できないものの、暫定トップのハイター、暫定2位のゲイト、そして4位でスタートしたトマがポイントを重ねていく。4回目のポイント周回を通過した時には今村はトマに逆転されて、暫定3位から4位となる。
今村がポイント獲得できない中、上位陣は次々とポイントを獲得していき、迎えた終盤。
7回目、残り30周を切って順位は以下の通り。
ハイター:121ポイント
ゲイト:116ポイント
トマ:104ポイント
今村:101ポイント
トップ争いが白熱する中、暫定6位につけていたデンマークのニクラス・ラースンが1周追い抜きをして残り10周を切ると暫定3位へと浮上し、開催国のトマは4位へ、そして今村は6位へと順位を落とす。
しかし、最後に魅せたのは地元のトマ。残り10周を切って暫定トップのハイターと飛び出すと、2人で集団を突き放していく。
残り1周、最終周回のベルが鳴ると沸きあがった会場の声援を背に、更に加速していくトマとハイター。最終ストレートでメイン集団に追いつき、20ポイントを加算。ラースンを再び追い抜き、トマが準優勝となった。
優勝を果たしたのは2021年大会より2年連続となるハイター。しかし4位から2位にジャンプアップしたトマの走りに会場が大喝采となり、自国開催も相まってトマが優勝したかのような大騒ぎとなり、男子オムニアムは幕を閉じた。
3位は序盤と中盤にポイントを加算したアーロン・ゲイト。
今村は最終種目で3つ順位を落とし、最終結果を6位とした。
🌈 🇬🇧 @ethan_hayter 🇬🇧🌈
2022 UCI Men’s Omnium World Champion 👏#SQY2022 pic.twitter.com/0n5e8CttaQ
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) October 15, 2022
イーサン・ハイター選手インタビュー
Q:今回の勝利はいかがでしょうか?
タイトルを守ることはいつも難しいので、
Q:毎回リラックスして走っているように見えますが、ご自身のスタイルとでもいえますか?
最初はエンジンをかけないように見られてしまうかもですが、
Q:明日が今シーズンの最後となりますか?
明日のマディソンがシーズン最後のレースとなるので、
Back-to-back World Champion! 💪
What a way to finish the 2022 season, @ethan_hayter. 🌈#SQY2022 pic.twitter.com/h5S80oC5zx
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) October 15, 2022
今村駿介選手インタビュー
Q:最終6位の結果をどう受け止めていますか。
力の差を見せつけられた、という感じです。
Q:2種目目まではとても良い順位でしたが、調子はどうだったんでしょう?
1種目目の順位が大きな自信になりました。テンポレースがとても苦手で、そこで1位を獲れたのはラッキーな展開なこともあったのですが、自分が暫定1位という実感が湧きませんでした。
最後のポイントレースはあまり点差がないので、3種目目を上位で終われれば付いていけるかなと思っていたのですが、エリミネーション(3種目目)を「力がないなあ」と感じながら走る結果となりました。
ポイントレースは見ての通り、全然点も取れないし、ついていくのに必死でした。ポイントレースに一番足の差が出るので、実力通りだったなと。
Q:錚々たる顔ぶれの中で最終6位は評価できる結果だと思うんですが、ご自身としては?
前半2種目のラッキーもあって6位になれたと思います。ポイントレースで動けないこともわかったので、今後につなげていきたいです。
最後のポイントレースでの上位陣のスピードが「勝ちに行くためのスピード」で、力の違いを感じました。そこに向けてもっと苦しい練習をしていきたいです。
Q:世界選手権のオムニアム初出場。改めて振り返っていただけますか。
やっぱりオムニアムは全てで平均的に強くなければ駄目です。前半2種目はラッキーでもあそこまでいける、というのはひとつの収穫でした。そしてポイントレースで勝負に絡めないと表彰台には上がれないとよくわかったので、スピードも持久力も、せめて表彰台争いに加われるように練習し直していきます。
Q:来シーズンからはオリンピックの枠取りも始まります。今後に向けてやらなくてはいけないこととは?
普段からポイントレースの「苦しさ」を思い出していくこと。普段のトレーニングでやっている「苦しさ」も苦しいは苦しいけど、限界近くまで苦しんでそれでも点を取れないのがポイントレースです。
戦術やスピードもそうですが、持久力が重要ですし、真剣に表彰台を狙う強い気持ちを持つことが大事だと感じました。