2022年8月26日から4日間の日程で開催されている『2022全日本選手権トラック』。開催3日目となる28日、男子オムニアムが実施された。
ポイントレースの最終周回まで暫定2位だった窪木が、最終着順で逆転して優勝を勝ち取った。
オムニアムのルール
4種目を行いその総合成績を競う、オムニアム。スクラッチ→テンポレース→エリミネーション→ポイントレースの順で実施される。
出場メンバー
選手名 | チーム名 |
山本哲央 | チームブリヂストンサイクリング |
松田祥位 | チームブリヂストンサイクリング |
河野翔輝 | チームブリヂストンサイクリング |
今村駿介 | チームブリヂストンサイクリング |
兒島直樹 | チームブリヂストンサイクリング |
窪木一茂 | チームブリヂストンサイクリング |
橋本英也 | チームブリヂストンサイクリング |
孫崎大樹 | Sparkle Oita Racing Team |
西原裕太郎 | シエルブルー鹿屋 |
谷内健太 | 京都産業大学 |
スクラッチ
定められた距離を走り着順を競うスクラッチ。バンクで行われるロードレースとも称される。男子は10km、トラック40周で実施。
レースは時折アタックが発生するものの、決定的な逃げには繋がらずに集団のままレースが進む。終盤となった残り8周、松田と河野が集団から飛び出すが、残り5周では松田の単独先行に。松田がどんどんと後方集団との距離を広げ、単独で最終周回へと入っていく。
後方集団から今村が追い上げを見せるも、松田が逃げ切って1着となった。
テンポレース
10km、トラック40周で行い、毎周回フィニッシュラインを1着で通過した選手だけ1ポイントを得ることができるテンポレース。
序盤から松田、河野、山本がアタックし、この3人がローテーションする形でポイントを獲得していく。10回目のポイント周回を終えると3人は集団に追いつかれ、ここからは兒島や窪木、今村がポイント獲得に参戦してくる。
今村がアタックし、集団に追いつかれると、次は橋本が単独でアタック。ポイントを重ねつつ、客席に手を振るサービスも見せる橋本は、メイン集団に残り3周で追いついて+1ラップ(1周追い抜き)の20ポイントを獲得し、この種目の1位に。松田が2位、3位は今村。
エリミネーション
決められた周回数ごとに最後尾の選手が除外されるサバイバルレース。
残り5人まで残ったのはチームブリヂストンサイクリングのメンバーたち。ブリヂストンの戦いは、2種目を終え暫定1位だった松田がまずは除外され、続いて兒島、今村とエリミネートされ、最後の一騎打ちは窪木と橋本。
前を行く橋本を最後に差す形で窪木が追い抜き、エリミネーションの1位となった。
ポイントレース
男子は25km、トラック100周回で実施されるポイントレース。それまで3種目で獲得した総合ポイントを持ち点としてスタートし、10周ごとのスプリント周回で、1着に5ポイント、2着に3ポイント、3着に2ポイント、4着に1ポイントが与えられる。レースで得たポイントが持ち点に加算されていき、最終的に総合ポイントが最も高かった選手が勝者となる。
ここまでの3種目を終え、暫定ランキング上位は以下の通り。
暫定順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
1 | 橋本英也 | チームブリヂストンサイクリング | 112 |
2 | 松田祥位 | チームブリヂストンサイクリン | 110 |
3 | 今村駿介 | チームブリヂストンサイクリン | 108 |
4 | 窪木一茂 | チームブリヂストンサイクリン | 106 |
5 | 兒島直樹 | チームブリヂストンサイクリン | 98 |
レースは集団が2つに分かれ、後方集団にポイントリーダーの橋本が入る。2回目のポイント周回を今村が1着通過したことで、橋本の112ポイントに並んで同点タイの112ポイント。そしてなんと、3回目のポイント通過が終わったところで後方集団の選手たちが-1ラップ(周回遅れ)となってしまったため、橋本は-20ポイントとされて92ポイントとなってしまう。ポイントリーダーは117ポイントの今村へ。
残り50周、半分となった時点でのポイント上位は以下の通り。
暫定順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
1 | 今村駿介 | チームブリヂストンサイクリング | 127 |
2 | 松田祥位 | チームブリヂストンサイクリン | 115 |
3 | 窪木一茂 | チームブリヂストンサイクリン | 113 |
4 | 兒島直樹 | チームブリヂストンサイクリン | 104 |
5 | 河野翔輝 | チームブリヂストンサイクリン | 88 |
中盤から終盤の攻防では、3回のポイント周回を窪木が1着で通過したため、今村とのポイント差が縮まる。9回目のポイント周回を終えると、この時点でのポイントランキングは以下の通り。
暫定順位 | 選手名 | チーム | ポイント |
1 | 今村駿介 | チームブリヂストンサイクリング | 137 |
2 | 窪木一茂 | チームブリヂストンサイクリン | 135 |
3 | 松田祥位 | チームブリヂストンサイクリン | 122 |
4 | 兒島直樹 | チームブリヂストンサイクリン | 108 |
5 | 河野翔輝 | チームブリヂストンサイクリン | 89 |
今村がリードを守るのか、それとも窪木が逆転するのか。勝負は最終ポイント周回で獲得するポイント次第となった。
残り3周、窪木と今村の牽制の入った隙をついて孫崎がアタックするが、集団に吸収される。
最終周回。3・4番手にいた窪木と今村が一気に加速し、大盛り上がりとなった会場の中、両者ほぼ横並びでフィニッシュ。
最終着順は1着窪木、2着今村、3着松田、4着河野。最終スプリントのポイント獲得の結果、窪木が逆転優勝を決めた。
最終順位
順位 | 選手名 | ポイント |
1位 | 窪木一茂 | 145 |
2位 | 今村駿介 | 143 |
3位 | 松田祥位 | 126 |