新型コロナウイルスと戦いつつも実現した、東京2020オリンピック。1964年の東京オリンピックから57年の歳月を経て、2回目の日本での夏季オリンピックとなった。

通常のオリンピックとは異なる状況の中で挑んだ日本チームは、自転車トラック競技で梶原悠未が銀メダルを獲得。この大会では「数種目でメダル獲得が期待できる」とまで言われていた日本チームだが、“改革”が起こったのは2016年リオ大会後。そこから躍進し、世界トップのレベルにまで上がってきた。

その理由とは?

この記事は、HPCJC(High Performance Center of JAPAN Cycling)とのコラボレーション第2弾、ブリヂストン編。

第1弾はコチラ▼

東京2020オリンピックで見えた世界と戦う形 HPCJC×脇本雄太

日本自転車競技連盟(以下、JCF)とその下部組織ハイパフォーマンスセンターオブジャパンサイクリング(以下、HPCJC ※自転車トラック競技のナショナルトレーニングセンター)、株式会社ブリヂストン/ブリヂストンサイクル株式会社(以下、ブリヂストン)が、東京2020オリンピックに向けて協力して開発を進めた秘話をお届けする。

ブリヂストン アンカー トラックバイクフレーム 2022年モデル BRIDGESTONE ANCHOR

TS9:東京2020オリンピック日本代表自転車競技(トラック)に供給し使用されたトラックバイクの2022年モデルとなる短距離用フレーム

世界的企業との提携

2017年10月、大きな発表が日本チームに力を加えていくことになった。

世界的なタイヤメーカーである株式会社ブリヂストンと、日本の自転車産業をけん引するブリヂストンサイクル株式会社が東京2020に向けた機材開発を行うと決定したのだ。

「日本製を誇りにメダルを目指す」ブリヂストン、東京オリンピック日本代表トラック競技用自転車オフィシャルサプライヤーに

現在日本代表短距離チームのコーチを担うジェイソン・ニブレット氏は「ブノワ・ベトゥコーチは、オール日本製品でオリンピックに臨むビジョンを持っていたのです。自転車、レーススーツ、ヘルメット、全てです」と語る。

ブノワコーチの持っていた“東京2020での成功”に対する熱。それに当時日本自転車競技連盟の強化委員長であった中野浩一氏(世界選手権スプリント種目10連覇:1977~86年)、そして当時連盟の会長だった橋本聖子氏などが集まり、“オリンピックで戦うための開発”が始まった。

結果を残すも“試行錯誤”の毎日

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