解説
では、今回のルール改正によって実際にどのような影響があるのだろうか?
新ルールで出来なくなったこと
「誘導員を早めに切る=重大走行注意の対象」であったが、これが全て失格扱いになった。これまでは重大走行注意覚悟での早期追い抜きが事実上可能であり、違反点の加算具合によって徹底先行の選手の動きが変わるということもあった。しかし、これからは一発で失格となるため、そもそも早期の先行を伴う戦法を取れなくなる。
上記ルールに加え、暴走行為に関する失格基準も「通常のスパート時期より相当早くスパート」という文言から「打鐘開始前よりスパート」と明言並びに厳格化されたため、極端な先行策を取るラインの先頭選手や単騎のかまし先行の選手などは動きを制限された形になる。
車券やレースへの影響は
一概には言えないが、今回の改定に対してはいくつかの視点から意見を述べることが出来る。
スポーツとしての競技性の向上
無謀とも取れる暴走が抑止されれば、「『全員が結果を求める』競技としての面白さ」の向上に繋がるだろう。ラインの先頭選手の早期先行による離脱も減ることが予想されるため、ラインで買いやすくなる可能性もある。
「違反点を承知で誘導を切る」というのは予想の一助にもなってはいたが、競技としてそれが常態化してしまうことへの憂いもあったのかもしれない。
ギャンブルとして、競輪としての面白みの低下
早期の先行を制限してしまうと、「怪物を倒すためのラインぐるみでの先行」の様なギャンブル的な仕掛けが出来なくなる可能性がある。レースにイレギュラーが起こりにくく、地脚通りの結果になる可能性が高くなり、面白みが減ってしまう。
などなど・・・
今回のルール改正が競走にどのような影響を及ぼすのかについては様々な意見や予想があるだろう。本記事の解説はあくまで予想の範疇であり、意見についてもごく一部のものに過ぎないため、実際にルールが改正された後に各選手がどのように動きを変えてくるのかに注目したい。