久しぶりの女子ロードレース
4月24日、25日、群馬県にある群馬サイクルスポーツセンターにて行われた第55回JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)東日本ロードクラシック群馬大会。初日の様子をレポートしていく。
このレースのフェミニンクラスタにトラック中長距離のナショナルチームに所属する女子選手たちが2日間、参戦した。
参加したのは、JCF強化指定選抜チームとしてオープン参加となった梶原悠未、内野艶和、鈴木奈央の3人、そして中村妃智、古山稀絵がそれぞれの所属チームからレースに出場した。
昨年、トラック中距離コーチであるクレイグ・グリフィンがJBCFのレースに視察に訪れ、中長距離女子選手たちもこのレースに参戦させたいと話していた。男子女子問わず、世界の強豪選手たちはロードレースでも名前を見ることが多く、共通する点も多い。
今回は、イギリスでのネーションズカップの第1戦が中止となったことにより、調子の波を作るためにもこのJBCFのレースに出場することが計画された。特に東京オリンピックで代表内定している梶原と中村にとって、残り100日を既に切っている東京オリンピックの舞台までにレースでの刺激を入れておくことも重要なこととなる。
昨年夏、男子のクリテリウムに混ざって走ることはあったが、ナショナルチームの女子メンバーがロードレースを走るのは久しぶりだった。
梶原は、一昨年(2019年)の全日本選手権ロードぶり。今回の目的についてこう話した。
「オムニアムを走るための持久力強化トレーニングとして、しっかり追い込み切るということを目的に走りました」
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前半はスローペースで進んだ
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集団ひとかたまりのまま心臓破りの坂を越える
初日のレースは、1周6㎞のアップダウンが続くコースを14周回する総距離84kmで争われた。フェミニンクラスタの出走数は、21人。
スタートすると、レース序盤から中盤にかけて、集団はひとかたまりで進んでいった。中盤、数名が抜け出そうと試みるがすぐに吸収された。
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抜け出そうとする選手に対応する古山
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終盤まで集団に位置した中村と内野
終盤、コース中最も長い上り、コントロールライン(スタート/フィニッシュライン)からラスト2kmのところにある心臓破りの坂でアタックがかかると、徐々に集団はバラバラに。
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先頭は6人に
残り5周の時点で先頭は、渡部春雅(明治大学)、植竹海貴(Y’s Road)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)、梶原、岩本杏奈(日本体育大学)、内野の6人に絞られる。その後ろから単独で中村が追い、さらにその後ろに古山と鈴木が乗った集団が続く。
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追走する中村
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後続集団となった古山と鈴木
さらに次の周では、渡部、植竹、唐見、梶原の4人は集団を置き去りにした。
内野は、途中でチェーンが落ちるトラブルもあり、追いつくのに脚を使っており、坂で千切れてしまう。
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渡部がアタックを仕掛け、植竹がつく
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追走する梶原と唐見
残り2周のコントロールラインを過ぎた緩い上りで渡部がアタックを仕掛けると、フェミニンツアーのリーダージャージを着用する植竹のみが後ろにつき、梶原と唐見は離れた。
そのままラスト1周を前2人の状態でこなし、後続を差をつけたまま2人のスプリント勝負となり、植竹が勝利。
追走に最後の脚を使い切った梶原は、ラスト1周で唐見からも離れ、単独4位でフィニッシュした。
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先に渡部が仕掛け、その後ろから植竹が伸び、1番にゴールラインを切った