8月30日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催されている、UCIジュニアネーションズカップ、Tour de DMZ。日本からはナショナルチーム津田悠義山田拓海北宅柊麻川崎三織大河内将泰湯浅博貴の6選手のほか神奈川、京都、福岡、熊本の高校生選手によるチームJAPAN CYCLING ACADEMYが参戦した。Stage2はINJEからHWACHEONまでの113kmで争われた。

スプリンター不在ながらも健闘/UCI JUNIOR NATIONS CUP 2019 Tour de DMZ Stage1

強さを見せるオランダ

40km過ぎの山岳賞のかかった登りまでは1km未満の登りが複数回続くアップダウンコースで、ここでカザフスタンらの数名の逃げが出来るが、個人総合リーダーを擁するオランダのWWVがコントロールして進む。

山岳賞前に複数名の逃げが出来るが、山岳ポイント手前から津田、湯浅らが山岳リーダーの川崎を引き上げ逃げていた選手を全て吸収する。川崎はスプリントで2位通過して山岳リーダーをキープする。この登り区間で集団はいくつかに分かれたが、下り区間と平坦区間で多くの選手が集団復帰する。

逃げでもアシストでも存在感を見せる津田

50kmあたりから津田がアメリカのWエースのBOURGOYNE LucasとMCLAIN Loganと3名で逃げる。30秒以上の差がついたがリーダーチームのWWVが全員でまとまり牽き続ける。力のある先頭の3人は全開でローテーションを回しタイム差をキープするがWWVも15km以上かけて危険な逃げを潰す。

その後の緩やかな丘や平坦で個人総合に関係のない選手らが逃げるが、ゴールまで25kmの登り区間で津田のサポートを受けた山田が9人の逃げに入る。

惜しい結果となった山田

メイン集団のWWVは粘るがアシスト選手が力尽き、リーダー自らが集団を引っ張るが20秒から30秒差が詰められない。先頭集団の山田、その後の登り区間でさらに攻撃をかけるが集団分断には至らない。そのまま先頭集団は逃げ切り、山田のステージ優勝に期待がかかったが7月のネーションズカップツールドラビティビでステージ2勝したBOURGOYNE Lucasが優勝した。

山田は最初にスプリントを開始したが3人にまくられ4位となったが、この逃げのおかげで個人総合5位まで上げることが出来た。この日は津田を含む3人の逃げにより、リーダーチームを苦しめたことで山田を含む決定的な先頭集団を作ることが出来た。

明日のstage3は130kmのコースで山岳賞のかかった登りがあるものの短く勾配もないため、日本チームはレース状況をうまく利用して逃げを作って山田の個人総合アップ、川崎の山岳ジャージのキープ、そしてステージ優勝を狙う。

Stage2リザルト

1位 BOURGOYNE Lucas (アメリカ) 2時間36分04秒
2位 KRIJNSEN Jelte(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) 同タイム
3位 MCNEIL Aldan (アメリカ:ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING) 同タイム
4位 山田拓海(日本ナショナルチーム) 同タイム
16位 大河内将泰(日本ナショナルチーム) 2時間36分43秒
33位 川崎三織(日本ナショナルチーム) 同タイム
36位 津田悠義(日本ナショナルチーム) 同タイム
51位 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) 同タイム
78位 北宅柊馬(日本ナショナルチーム) 2時間46分05秒

個人総合

1位 BOURGOYNE Lucas (アメリカ) 4時間29分16秒
2位 KRIJNSEN Jelte(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) +04秒
3位 MCNEIL Aldan (アメリカ:ARAPAHOE HINCAPIE PB BMC RACING) +06秒
4位 山田拓海(日本ナショナルチーム) +10秒
16位 大河内将泰(日本ナショナルチーム) +49秒
33位 川崎三織(日本ナショナルチーム) 同タイム
36位 津田悠義(日本ナショナルチーム) 同タイム
51位 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) 同タイム
78位 北宅柊馬(日本ナショナルチーム) +13分27秒

TEXT:JCF強化コーチ柿木孝之

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