8月30日から韓国と北朝鮮の国境付近で開催される、UCIジュニアネーションズカップ、Tour de DMZがスタートした。今年はアメリカ、カザフスタンなどの強豪ナショナルチームのほかアジアの多くのナショナルチーム、直近のヨーロッパの1クラスで個人総合上位に複数名入れたオランダクラブチームWILLEBRORD WIL VOORUIT(WWV)、アメリカやオーストラリアのクラブチーム、韓国の高校チームなど計21チーム120名がスタートした。

日本からはナショナル含めた2チーム出走

日本ナショナルチームは津田悠義、山田拓海、北宅柊麻、川崎三織、大河内将泰、湯浅博貴の6選手で挑む。今回ナショナルチームはスプリンターがいないため、逃げによる各ステージ優勝と個人総合上位を狙う。日本からはナショナルチームのほかに神奈川、京都、福岡、熊本の高校生選手によるチームJAPAN CYCLING ACADEMYが参戦する。

トラブル続きの登り前

Stage1は北朝鮮との国境のGOSEONGをスタートしてレース中盤に3.5kmの2級山岳の登りをこなしてINJEでゴールする79kmで争われた。登りは勾配がキツいところは少なく集団が大きく分断されるほどではないが、日本チームはこの登り区間で動き、集団を小さくしてからの勝負を目指した。ニュートラル区間で湯浅が落車し、ニュートラル解除直後の集団でアタック合戦が始まる中で津田がパンクする。トラブルが続いたがなんとか集団復帰しこの日の勝負所の登りに入る。

川崎三織が山岳ジャージ獲得

登り区間前に優勝候補のオランダWWVのKROON Jolisが逃げ30秒弱の差をつける。集団では細かなアタックが繰り返され、3.5kmの登り区間の中盤から集団は小さくなる。ペースを上げた集団がKROON Jolis(オランダ)を吸収し、7月のネーションズカップツールドラビティビでステージ2勝をしたアメリカナショナルチームのBOURGOYNE Lucasのアタックに川崎ら3名が反応、山頂前に川崎が抜け出し1位通過して山岳ジャージを手に入れる。

大混戦のゴールスプリント

その後の下りでは小さくなった集団がいくつか合流し30名ほどの集団となる。日本ナショナルチームからは川崎、山田、湯浅、大河内、津田の5名が残り、大会NO.1スプリンターを擁するオランダWWVチームとローテーションを回して後続を引き離す。このステージはそのまま30名強での集団スプリントとなりWWVのエーススプリンターKOOIJ Olavが制した。日本チームは大河内の6位が最上位。

明日のstage2は長い登りはないものの前半からアップダウンが続くコースで、日本チームは少人数で逃げてステージ優勝を狙う。

Stage1リザルト

1着 KOOU Olav(オランダ:WILLEBRORD WIL VOORUIT) 1時間53分22秒
6着 大河内将泰(日本ナショナルチーム) 同タイム
11着 湯浅博貴(日本ナショナルチーム) 同タイム
12着 山田拓海(日本ナショナルチーム) 同タイム
15着 川崎三織(日本ナショナルチーム) 同タイム
17着 津田悠義(日本ナショナルチーム) 同タイム※
67着 北宅柊麻(日本ナショナルチーム) 1時間56分37秒

※パンクからの復帰の際レギュレーション違反で+20秒のペナルティを受ける

TEXT:JCF強化コーチ柿木孝之

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