誰がこの男を止められる ファンデルプールとオランダ軍団

マチュー・ファンデルプール Photo by Tim de Waele/Getty Images

シーズン序盤から大注目、アラフィリップに次いで優勝候補のマチュー・ファンデルプールを擁するオランダ。常に攻撃的な走りを見せるファンデルプールにとってテクニカル・アップダウン・逃げ集団向きのコースは大チャンス。

直近に参加した「ツアー・オブ・ブリテン」ステージではステージ3勝を含む総合優勝を果たした。

そんなファンデルプールを支えるアシスト陣にはツール・ド・フランスなどのビッグレースで山岳エースとして活躍するバウケ・モレマや、スプリンターとして着々と力をつけているマイク・テウニッセン、往年のベテランクラシックハンターのニキ・テルプストラなど普段はエース級のスター選手達が出走メンバーに。

クラシックレース名手揃いの強豪国ベルギー

レムコ・イヴェネプール

オランダと同様、クラシックレースに強い布陣を揃えるベルギー。現在(2019年9月25日)UCIロード国別ランキング1位でもある。

フィリップ・ジルベールは今年パリ〜ルーベを制したが、ツールへの出場は叶わず。しかし、先週まで開催されていたブエルタ・ア・エスパーニャではステージ2勝を果たし絶好調。

今回のようなアップダウンや小集団スプリントも得意な、2012年の元世界王者の走りに注目。

またリオオリンピックロードレース王者であり、現在UCIロードワンデーレースランキング首位のグレッグ・バンアーベルマートはパリ〜ルーベなどの名レースでも優勝してきたクラシックハンター。世界選手権では2010・14年に5位、2017年に6位と後一歩な成績。しかし2019年9月に出場した3つのワールドツアーレースでは6位、3位、優勝と全レースシングル順位でフィニッシュしており、好調ぶりが伺える。

そしてエリート1年目にしてタイムトライアルヨーロッパ王者へと輝いた19歳、レムコ・イヴェネプールにも大きな期待がかかる。そのほかアシストにオリバー・ナーセン、ティム・ウェレンス、ディラン・トゥーンスなどの強力なメンバーで挑む。

ディフェンディングチャンピオンを抱えるスペイン

アレハンドロ・バルベルデ 引用:UCI

昨年大会覇者のアレハンドロ・バルベルデを擁するスペイン。ロード世界選手権エリートでは昨年の優勝を含めて7度の表彰台経験がある。アラフィリップと同様にパンチ力のあるアタックに加え、多少のスプリントもこなせる。今回のようなコースでも十分2連覇のチャンスはあるだろう。

2019年9月のブエルタ・ア・エスパーニャ(以下ブエルタ)では第7ステージで優勝を飾り、個人総合順位を2位で終えるなど着々と世界選手権に向けてコンディションを上げている。

そのほかスペインからの出場選手として、直近2019年9月のレースでも表彰台に上がったイバン・ガルシアや、グランツールなどのビッグレースに出場しているルイス・レオン・サンチェス、ゴルカ/ヨン・イザギレ兄弟が出場。

そのほか注目選手

ペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)

世界選手権と言えばもちろんこの男、ペテル・サガンの名が上がる。2015年から2017年の世界選手権3連覇や、数々の名レースで勝利してきた。

2018年はDNFで終わったが、基本どんなコースでも勝負に絡める実力。今回のコースも”サガン向き”と言えるため、4回目の世界選手権優勝も大いに期待できる。

プリモス・ログリッチェ(スロベニア/チーム・ユンボビスマ)

2019年のジロ・デ・イタリア個人総合3位、ブエルタ・ア・エスパーニャでは第10ステージの個人TTでステージ優勝、そして個人総合優勝を果たした、今期絶好調のプリモス・ログリッチェ。タイムトライアルにも強く、グランツール系のレースでも勝てる登坂力を持つ。オールラウンドな脚質を活かした終盤での逃げなどで勝率は十分にあるだろう。

 

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