フランスが歓喜に沸いた個人タイムトライアル(第13ステージ)

今大会唯一の個人タイムトライアル(以下個人TT)となった第13ステージ。ポーの市街地から丘陵地帯を抜け、再びポーに戻ってくる27.2kmのコース。フィニッシュ直前には最大勾配17%、205mの激坂が待ち構える。個人TTは個人総合や新人賞争いに大きく影響してくるため、総合勢にはプレッシャーがかかるステージとなった。

トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)がしばらく暫定トップタイムを記録し、迎えた最後から2番目の出走はゲラント・トーマス(チーム・イネオス)。トーマスはデヘントのタイムを塗り替え暫定トップへ。しかし、最終出走者のアラフィリップが好調な走りを見せ、予想外のステージ優勝を飾った。

誰も予想をしていなかったアラフィリップによるステージ優勝。この大会でのフランス人の個人TTステージ優勝は18年ぶり。そしてマイヨ・ジョーヌ生誕100周年の記念日となった7月19日にフランスのファン達を大いに沸かせる結果となった。

動く総合争い

この個人TTによって個人総合争い及び新人賞争いに変動があり、ステージ22位で終えた新人賞ジャージのエガン・ベルナル(チーム・イネオス)が個人総合3位から5位へと後退し、個人総合6位だったエンリック・マスが個人総合4位へ、そしてベルナルに8秒差を付けて新人賞ジャージの奪還にも成功した。

また、個人TTが苦手なナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)やダン・マーティン(UAE・チームエミレーツ)らは順位を下げる結果となった。そして今シーズンからロードレースへと転向し、大会中に何度も見せ場を作っていた元シクロクロス世界王者、ワウト・バン・アールト(チーム・ユンボビスマ)が落車によってツールを去ることに。

アラフィリップは個人総合2位のトーマスに1分26秒のリードで、ピレネー山脈の激闘となる第14・15ステージへと進んだ。

ピレネー山脈 山の戦い(第14ステージ)