3月8日から16日まで9ステージで行なわれるBIWASE CUP2019。

翌日の山岳ステージを見据えて力を温存/BIWASE CUP2019 stage4

Stage5は8km地点に山岳ポイントがあり、その後は60km過ぎにある1.5kmの15%ほどの急勾配の登りから3つの山岳ポイントを含むアップダウン区間が30kmほど続く。そこからは平坦コースとなっているが、個人総合に大きな変動が起こりうるコースであり、力のある選手やチームが大きく動いてくることが予想された。

日本チームにトラブル発生

最初の平坦区間の40kmはスプリント賞獲得のためにタイがコントロールして進む。スプリントポイント後は複数回攻撃がかかり、個人総合に関係のない4分遅れた選手を含む6名が先行。タイムギャップが3分20秒まで開いたところで日本チームは上野と石上でゆっくりと集団コントロールに入る。山岳賞ポイントを逃げグループに獲得してもらいつつ、ラスト30kmまでには捕まえられるタイム差を維持する。


激坂区間に日本チームは前でまとまって入るが、その後のアップダウン区間で個人総合リーダーの樫木がメカトラで遅れる。石上が待って牽くが、途中からは樫木が先頭固定で10kmほどかけて何とかメイン集団に復帰。

個人総合に注力

樫木はレース前に山岳ジャージの獲得にも意欲を見せていたが、集団復帰した直後の山岳ポイントはあきらめ、個人総合に集中する。下り区間で上野がパンクするが、パンクした場所が悪く集団復帰できない。

その後、先頭集団は例年にないスローペースとなり、大きく崩れないまま30人ほどでラスト30kmの平坦区間に入る。個人総合に大きく関係のない選手の3名の逃げが決まり、40秒ほどの差で進む。チーム総合3位を奪いたいBIWASEチームが4名の先頭固定で集団を引っ張り、ラスト5kmほどで20秒に縮まったところから2名が追走に入る。

追走グループは前と合流し、5名でのスプリント勝負をHigh Ambition 2020 Inter.のArianna Fidanzaが制した。メイン集団では個人総合の動きのみ注意して走った樫木、金子、唐見が先頭と14秒差でゴールし、個人総合1、2位を守った。


この日は道も悪くチェーントラブルが多くのチームに発生し、日本チームも樫木が遅れて一時は厳しい展開となったが、そこから力をみせて集団に復帰し個人総合リーダーを守ることが出来た。樫木は山岳ジャージは失ったが、選手として大きく成長している走りを見せた。

Stage5 レース結果

1 Ariana Fidanza(High Ambition 2020 Inter.)3時間21分11秒
2 Lee Eunhee (韓国) 同タイム
3 Nguyen Thi Thu Mai (Tap doan Loc Troi) 同タイム
16 金子広美 (日本ナショナルチーム) 14秒差
23 樫木祥子(日本ナショナルチーム)同タイム
25 唐見実世子 (日本ナショナルチーム) 同タイム
40 上野みなみ (日本ナショナルチーム) 4分7秒差
石上夢乃 (日本ナショナルチーム) タイムアウト+18分5秒差

Stage5終了時 個人総合成績

1 樫木祥子(日本ナショナルチーム) 12時間53分47秒
2 金子広美(日本ナショナルチーム)29秒差
3 牧瀬翼 (BIWASE) 34秒差
19 唐見実世子(日本ナショナルチーム)9分7秒差
38 上野みなみ(日本ナショナルチーム)17分31秒差

(文:JCF強化コーチ 柿木孝之)

TEXT:JCF