ロードレース世界選手権2017ジュニア男子ロードレース
スタート直後に落車が頻発
ジュニア男子ロードはベルゲンから40kmほど離れた街をスタートし、ジュニア女子と同じベルゲンの19.1kmの周回コースを5周回する133.8kmで争われた。日本チームは松田祥位、蠣崎優仁、小野寺慶の3名で臨む。
レースは190名がスタートしてすぐに落車が頻発する。ジュニアレースはネーションズポイント獲得に関係なく参加枠がもらえるため、国際レースが初めての選手も多く、危険が多い。
小野寺が周回コースに入るまでに2回、落車に巻き込まれるが、ホイール交換で何とか復帰する。周回コースに入っても落車が続き、集団内は緊張した状態が続く。日本チームのエースの松田も落車に巻き込まれ集団最後方に追いやられるが、自力で復帰しメイングループにとどまる。
3周目にはレース前半からの落車による脚止めの連続で脚を使った蠣崎、小野寺が遅れる。優勝候補の選手らでさえも落車のトラブルによりレース中盤で複数名が遅れる。
4周目の登りはじめで逃げグループを追いかける形で松田が集団先頭でペースを上げる。集団が分かれる場面でも松田は前で粘る。
Julius JOHANSENが独走優勝
ラスト周回ではデンマークのスピードに定評のあるJulius JOHANSENが1人抜け出し、松田の集団から30秒ほどのタイム差を維持する。メイン集団では登り区間で集団はいくつかに分断され、松田は第2集団にとどまるが、その後の平坦区間で第2集団を強力に引っ張り、前のグループに追いつく。しかし1人で逃げたJulius JOHANSENの走りは素晴らしく、そのまま独走優勝した。
6月のドイツのネーションズカップでは圧倒的な力をみせ、今大会のTTの優勝候補であったものの6位に終わったが、ロードで実力をみせた。松田は40人強の2位争いの集団でスプリントできず28位にとどまった。
大きな可能性を感じた松田の走り
毎年落車の多いジュニアの世界選手権ロードではあるが、今年は例年以上に多くの落車が起こり危険な状態が続いた。その中で松田は自分で脚を使いながら位置取りを行ない、結果は残せなかったものの強力な走りを見せた。
上位に入った選手と比べ、ヨーロッパでのレース経験が圧倒的に少なく、他国の選手に頼らない不器用な走りではあったものの、TTに続き今後に非常に大きな可能性を感じる走りであった。
Text : JCF強化コーチ 柿木孝之
蠣崎優仁選手コメント
今回自分は松田をアシストして、小野寺は自由にというのがチームのオーダーでした。今回は落車も多く、自分も巻き込まれたり、大変なレースでした。
周回コースに入ってから3周目までは自分の仕事、アシストとして松田を守っていたのですが、その後は上手くいきませんでした。
今年はジュニアのチームキャプテンとして、チームとしてどうやって戦うかをいろいろ考えながら戦いを行ってきました。これからはU-23のカテゴリーで戦うことになるので、もっと結果を出せるように頑張りたいです。
ロード世界選手権2017男子ジュニアロードレース 結果
順位 | 名前 | 国 | タイム |
1 | JOHANSEN Julius | デンマーク | 3時間10分48秒 |
2 | RASTELLI Luca | イタリア | +51秒 |
3 | GAZZOLI Michele | イタリア | “ |
28 | 松田祥位 | 日本 | +55秒 |
85 | 小野寺慶 | 日本 | +8分 |
128 | 蠣崎優仁 | 日本 | +19分15秒 |