レースの見どころは?
記者発表会では栗村氏と廣瀬氏が各チームの紹介とともにレースの見どころも語ってくれた。
まず、10月20日土曜日に行われるジャパンカップクリテリウムで注目すべきなのは、別府史之(トレック・セガフレード)。過去に3度の勝利を挙げており、発表会に寄せたビデオメッセージでも優勝を狙うと宣言していた。同じくトレック・セガフレードからは、スプリンターとして名を馳せるジョン・デゲンコルプ(ドイツ)、強力な発射台のクーン・デコルト(オランダ)も出場リストに名前が挙がっており、クリテリウムでの勝利にかかる期待は大きい。
一方、10月21日日曜日に開催されるジャパンカップロードレースでは、強力なクライマーを揃えてきたロットNL・ユンボが目を引く。ジョージ・ベネット(ニュージーランド)、クーン・ボウマン(オランダ)、そして昨年の同大会で4位入賞のアントワン・トルホーク(同)を筆頭に、実力者ばかりがエントリーされた。他のUCIワールドチームはシーズン後半から加わったトレーニーの選手を加えているところも多いが、ロットNL・ユンボは実績のある選手のみで構成されており、今大会へ臨む意気込みが伝わってくる。
さらに、ロードレースでコアなファンから熱い視線を送られそうなのが、タデイ・ポガチャル(スロベニア/リュブリャナ・グスト・ザウラム)だ。U23カテゴリの最高峰ステージレースであるツール・ド・ラヴニールで今年総合優勝を果たし、来季はUAEチーム・エミレーツへの移籍が決定している。昨年のツール・ド・ラヴニールを制したエガン・ベルナル(コロンビア/チーム スカイ)が、今年のブエルタ・ア・エスパーニャでアシストとして獅子奮迅の活躍をしたことは記憶に新しい。ポガチャルもいずれはグランツールでの活躍が期待されている選手で、その走る姿を間近で見られるチャンスだ。
また、BMCレーシングチームは今シーズン限りでのスポンサー撤退が決定しているため、このチーム名では最後のジャパンカップ参加となる。さらに、サイモン・ゲランス(BMCレーシングチーム/オーストラリア)、マシュー・ヘイマン(ミッチェルトン・スコット/同)、スヴェイン・タフト(同/カナダ)は今シーズンないしは来シーズン初頭での引退を口にしているため、日本国内でレースをしている姿を見られるのは今大会が最後となるだろう。
そして、宇都宮ブリッツェンはこのジャパンカップに特別デザインのジャージを用意。昨年は、雨澤穀明が3位となって表彰台に上がり、これまでも地元開催のビッグレースで山岳賞を獲得するなど健闘を見せてきた。今年は特別ジャージを身にまとい、気合を入れてレースに臨む。