今大会最強のサイモン・イェーツ
第2週を終え、総合首位の証『マイヨ・ロホ』を着るのはサイモン・イェーツ(イギリス/ミッチェルトン・スコット)。今年のジロ・デ・イタリアでもステージ3勝と13日間にわたってマリア・ローザを着続けた実績をもつ。
今大会はジロのときのように勝ち急ぐのではなく、冷静に周りの動きを見極め、自分の仕掛けるべきタイミングで攻撃するクレバーさを見せている。第14ステージでは、ライバルたちのアタックに無理に反応することなく、マイペースに登り、ラスト700mからの決定的な一撃で見事に勝利を掴み取った。
あとは、アシストがどれだけ彼を守れる位置にいられるか。ジャック・ヘイグ(オーストラリア)とダミアン・ハウスン(同)、そして双子のアダム・イェーツ(イギリス)の走りに注目だ。
チーム力は随一のモビスター2人組
サイモン・イェーツを26秒差で追うのが、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム)、33秒差で追うのがナイロ・キンタナ(コロンビア/同)である。
マイヨ・プントス(ポイント賞ジャージ)を着るバルベルデは、ここ近年で最も登れる調子の良さを見せており、キンタナも2年前にブエルタを制したときと近いコンディションを保てている。
さらに、この2名が共に総合上位にいることで、先に仕掛けた選手の追走に他チームの力を使わせ、その後にもう一人がアタックを仕掛けるというコンビネーションを発揮することができる。
さらにモビスターの強みは、今年のジロ・デ・イタリア総合4位のリチャル・カラパス(エクアドル)の存在だ。第14ステージでは先行して抜け出したステフェン・クライスヴァイク(オランダ/ロットNL・ユンボ)を、バルベルデを引き連れながら、長きにわたり追走した。今大会最も強い山岳アシストと言えそうだ。
チームとしての安定度の高さは今大会随一のモビスター。サイモン・イェーツに一矢報いることはできるか?