パリ2024オリンピック。大会9日目の8月3日は、男子個人レースが開催され、日本から新城幸也が出場した。
男子ロードレース
55の国と地域から総勢90選手がエントリーした男子ロードレース。1984生まれの新城幸也はエントリーメンバーの中で最年長でもある。
エッフェル塔と向かい合うトロカデロ広場をスタート・フィニッシュ地点とするトータル273kmのコース。
獲得標高は2800m、途中に数多くある丘を乗り越えて、周回コースを2周してフィニッシュする長距離のコースとなった。
Today's route 👇
13 climbs and a total elevation gain of 2,800m#Paris2024 #CyclingRoad pic.twitter.com/euPC1Ydhr1
— UCI (@UCI_cycling) August 3, 2024
レースは序盤、アフリカ勢を中心とした5人が逃げて先頭集団を形成する。そしてその他の選手はメイン集団となって、これぞロードレースといった形でレース展開が固まり、新城はメイン集団の後方で姿を潜めて進んでいく。
先頭の逃げ集団は最大でおよそ10分ほどメイン集団との差を開くまでとなった。
レース大きく動き出したのは、残り半分となった残り135km地点ほど。メイン集団をベルギー、オランダ、デンマークの選手たちがけん引し始めていく。
”結果的に”大きな動きとなったのは残り50キロ辺り。逃げ集団⇒追走集団⇒メイン集団となっていたレースでレムコ・エヴェネプール(ベルギー)がメイン集団から抜け出していく。追走集団に早々に追いつくと、追走集団を引き連れてスピードを上げていき、逃げ集団を吸収してしまう。
エヴェネプールが強さを見せる先頭の逃げ集団では、選手たちが少しずつ脱落していく中、残り25キロ地点では先頭は2人、エヴェネプールと開催国のヴァランタン・マドゥアス(フランス)のみとなる。
勝敗を決めた動きは残り15キロ地点。エヴェネプールがアタックするとマドゥアス(フランス)を置き去りにして一気に加速していく。
勝利まであと少し、しかしトラブル発生
どんどん距離を開いていくエヴェネプール。マドゥアスとの差を1分以上まで広げて単独で走っていくが、残り3.8キロで手を大きく挙げると自転車から降りてしまう。メカトラブルが発生し、大事な場面で予備の自転車を待たなければならない状態となる。
サポートカーから予備の自転車を受け取ると再び加速していき、ロスした時間が関係ないような力強い走りで最後の1キロに入ると勝利を確信。単独で栄光のゴールへと向かい、最後は自転車に降りて電話をかけては切るようなポーズを決める大差の勝利を遂げた。6時間超えの長丁場を制したのは、今大会の個人タイムトライアルでも優勝を果たしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー)。
2位と3位はフランス勢となり、ヴァランタン・マドゥアスとクリストフ・ラポルトが表彰台を獲得する結果となった。
新城は56位でレースを終えた。
最終結果
順位 | 選手名 | 所属 | |
1位 | レムコ・エヴェネプール | EVENEPOEL Remco | ベルギー |
2位 | ヴァランタン・マドゥアス | MADOUAS Valentin | フランス |
3位 | クリストフ・ラポルト | LAPORTE Christophe | フランス |
56位 | 新城幸也 | 日本 |
新城幸也コメント
最初のアタックを容認して10分以上空いた時点で今日のレースは厳しくなると思いまし た。モンマルトルの丘が勝負どころになるのは分かっていたので、そこで力を出すべく準備をしていましたが、今の自分の力では及ばなかったです。
日の丸を背負って、何回も走らせてもら って、恐らく最後のオリンピックになるであろう今回は準備できることは全てやりましたし、2003年にパリに来て、21年経ってこうして日本代表としてパリでのオリンピックを走るなんて 思ってもいなかったので、今日は感慨深く良い1日になりました。
日本の皆さんは、もっと良い順位を期待したと思いますが、自分としては最後まで悔いなく走れたので良かったと思います。本当に応援、ありがとうございました。
最後に、自転車競技を志す若い人に。覚悟を持って取り組めば、叶うことがあるので頑張りましょう、と伝えたいです。
次のレース予定
大会10日目となる8月4日は女子個人ロードレースが開催され、日本から與那嶺恵理が出場予定となっている。日本時間21:00からのスタートだ。
テレビでの放送はないが、TVerやNHK特設ページなどで配信が予定されている。詳しくは以下の記事にて。