2018年7月17日(金)〜7月24日(火)カナダ・ケベック州にて開催中のジュニアネーションズカップツール・ド・ラビティビ」に日本ナショナルチームからは以下6名の選手が参加している。

日野泰静(愛媛・松山城南高校)/鴨下拓弥(東京・堀越高校)/小野寺慶(栃木・真岡工業高校)/山本哲央(山梨・中央大学)/小笠原匠海(東京・EQADS)/福田圭晃(神奈川・横浜高校)】

エース日野泰静がスプリント勝負を制しステージ3位/ジュニアネイションズカップ 2018 Tour de l’abitibi 第1・第2ステージ

第7ステージはSenneterreをスタートしてVal-d’Orに戻る5kmの周回を10周走ってゴールする走行距離120kmで競われた。

日本チームは狙いを最初の30kmの横風区間をチームでまとまり注意することと、日野のステージ優勝、そしてスプリントポイントを含めてボーナスタイムで個人総合6位までのジャンプアップとしてスタートした。

山本のアシストにより、日野がスプリントポイントを獲得

横風が吹く中、スタートしてすぐにフランス、ニュージーランドのチームが攻撃を開始。すると一気に集団後方はバラバラに分断される。

日本チームは上手くまとまることが出来ず、単騎で動く形となり危険な状態になったが、攻撃が長くは続かなかったため全員が集団にとどまる。横風区間が終わると追い風で進み周回に入った。

1回目のスプリントポイントは総合に関係のない選手が逃げていたため、そのまま集団で通過。

2回目のスプリントポイントの2周前に個人総合8位のMAINGUENAUD Tom選手(フランス)を含む5名の逃げが出来たが、山本が日野の個人総合を守るため、日野を連れて集団からブリッジをかけて7名の先頭集団を形成する。

この逃げにより、スプリントポイントを日野が1位通過して3秒獲得する。この逃げはフランスチーム3名を含む強力なもので、山本がこのグループから遅れた後も続いた。しかし、残り3周あたりで吸収される。

その後フランスチーム2名、ニュージーランドチームを含む6名の逃げが決まり、25秒ほどのタイム差をつける。個人総合上位の選手は含まない逃げであるが、アメリカチームが強力にコントロールし、メイン集団の人数も絞られる。

日野がステージ2位、ゴールスプリントでも健闘

引用 JCF

引用:JCF

タイム差がなかなか縮まらない中、ラスト2kmほどで先頭集団が牽制したため一気に集団が追いつく。そこからは日野、福田で集団前方をキープし6番手あたりで最終コーナーを回る。

最後は力勝負となり、カナダナショナルチームのPICKRELL Rileyの先行を差せず日野が2位、福田が3位でゴールした。

圧倒的なスピードでステージ3勝目を挙げたPICKRELLは、8月のUCIジュニアトラック世界選手権大会でスプリントにも参加予定だ。

スプリントポイントとゴールでのボーナスタイムにより日野は個人総合で5位まで浮上。福田もネーションズポイント圏内の個人総合20位に入った。

ステージ優勝まであと一歩、貴重な経験が出来た

中盤のスプリントポイントを狙って、フランスチームが攻撃してくることを予想し、しっかり2名で対応。個人総合の逆転を許さず、またステージ優勝のチャンスを広げた。

ただこの日は横風区間の対応に遅れ、危険な場面もあった。

またラスト3周で決まった逃げは、個人総合に関係のない選手とはいえ逃げ切られる可能性が非常に高いものだった。

日野のステージ優勝、そしてゴールでのボーナスタイムで日野の個人総合を上げるためには、日本チームで追わなければならないところをアメリカに全て任せてしまった。

今回は個人総合上位にいる選手を抱えながら、ステージ優勝を狙うということで、選手自身レース中に頭を使わなければならない場面が多かった。

ステージ優勝は叶わなかったが貴重な経験を積むことが出来た。

競技結果

1位 PICKRELL Riley(Canada National Team)
2位 日野泰静(Japan National Team)
3位 福田圭晃(Japan National Team)
25位 小野寺慶(Japan National Team)
35位 小笠原匠海(Japan National Team)
88位 山本哲央(Japan National Team)

個人総合順位

1位 SHEEHAN Riley (US National Team)14時間5分15秒
2位 BOOTS Kendrick(US National Team)19秒差
3位 GARRISON Michael(US National Team) 19秒差
5位 日野泰静(Japan National Team)33秒差
20位 福田圭晃(Japan National Team)1分24秒差
21位 小笠原匠海(Japan National Team)1分24秒差
27位 小野寺慶(Japan National Team)1分48秒差
98位 山本哲央(Japan National Team)33分23秒差

Text:柿木孝之(JCF強化コーチ)

原文:JCF

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