レース展開への戦略

19ステージはステージ中盤から、チーム・スカイが形成したトレインによって、次々と他チームの選手が振り落とされることになる。先頭で集団を牽いていかなければ勝利は掴めないため、スカイはまずサルヴァトーレ・プッチョを先頭にペースを上げ、まずはトップ集団からふるいにかけていく。

そこでまずマリア・ローザを着ていたサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が脱落。そして80km前後からの未舗装道路になり、次にケニー・エリッソンドが前に出て全力で牽引しさらにふるいにかけ、総合3位につけていたドメニコ・ポッツォヴィーヴォが遅れ始める。

直後、クリス・フルームが未舗装道路で得意の登坂力を発揮し、前へ飛び出したのだ。そして圧巻のステージ優勝。さらには総合優勝獲得へと繋がる。

ピナレロ DOGMAF10の力

Chris Froome

Photo pool by Tim de Waele/Getty Images

クリス・フルームは使用機材のピナレロ DOGMA F10に対して、「グラベルロードを走っていても、オンロードと変わらないくらいF10の性能が後押ししてくれた」とコメントしている。ロードバイクの性能もまた、勝利の一端を担ったという。

名実ともに最強チームのスカイ、そして最強のグランツールライダーであるクリス・フルームの勝利を支える「チーム・スカイ」とは、レースを走る選手やチーム・サポーターだけではないという。機材を提供するピナレロ、ピナレロのロードバイクを販売する販売店や販売スタッフ、それを購入するユーザーもまた「チーム・スカイ」のメンバーだと。