2018年4月17日〜2018年4月22日までクロアチアで開催中のヨーロッパツアー「Tour of Croatia (ツアー・オブ・クロアチア)」の初日を迎えた新城幸也選手の現地レポート。

新城幸也「ステージ優勝、疲れが吹っ飛んだ!」/ツアー・オブ・クロアチア 第1ステージ ユキヤ通信2018 No.22

第2ステージは内陸から山陰を超え、アドリア海に抜ける約7kmのパレード区間を含め、約240kmを超える長丁場である。途中3級山岳と、2級山岳が設定されていた。

強風、落車、リーダージャージ失う

レース中盤に強風が吹いたため、2級山岳で選手が全員一斉に安全に下るという措置が取られた。だが強風の影響が大きく、落車が多発する危険なステージとなった。

新城選手はトップから29秒遅れの87位で無事にゴールしていたが、リーダージャージのボニファツィオが落車で大きく遅れ、リーダージャージを失う結果になった。

以下の新城選手のコメントでレースの状況も伺える。

新城幸也 ニッコロ・ボニファツィオ

カメラに気付いた​リーダージャージのボニーと新城選手 photo Miwa IIJIMA

今日も長い長いステージだった。リーダージャージ(ニッコロ・ボニファツィオ)を擁するリーダーチームなので、集団をコントロールする1日となった。予定では自分は最後のフィニッシュまで8kmの周回での仕事だったが、どこのチームからも協力を得ることが出来なかったので、自分も序盤から集団を引くことになった。

100km過ぎの補給ポイントで「チームでペースアップするように」と指示があり、横風区間を利用してぺースアップした。その結果、集団は3つに別れ、20kmほど追いかけっこ状態になったが、30秒以上のタイム差が付かず、また1つの集団に戻ってしまった。

今日は午後にかけて風が強くなると天気予報通りの気候だった。高速も区間で通行止めになるほどの強風で、2級山岳を登り切ったところでニュートラルになるという無線が入り、山岳で1人の選手が飛び出していたが容認された。

落車続出!強風で真っ直ぐ走れない

レースは一旦ストップし、山頂からの下りは「全選手一緒に安全に下る」という措置が取られた。平坦区間に出るまでニュートラル区間とされたが、下り切っても横風でまともに真っ直ぐ走れない。油断すると落車してしまう程の風で、カメラマンバイクも選手も転倒が続出した。

レース再スタート後、全力で追い上げ

新城幸也集団の先頭で逃げる選手を追いかける新城 ​photo Miwa IIJIMA

このままレース中止か?と思うほどの強風だったが、残り35km地点でレースは再スタート。距離は短くなれど、頂上まで逃げていた選手はタイム差2分で時間差スタートした。「それは無いんじゃない?」って思ったが、チームからは「直ぐに1分以内に追いつくように。」との指示があったので、追風に乗って全力で追いかけた。

思っていたよりもアップダウンしてて、早く差が縮まってしまい、周回に入る前には2人の選手がまた新たに飛び出した。それを追いかけて、周回前に集団ひとつにして役目を終え、後は他の選手に託した。

結果はともあれ、無事にゴールでき安堵

チームメイトのモホリッチは残り5kmでアタックしたが、残り600m位で捕まってしまい、リーダージャージのボニー(ニッコロ・ボニファツィオ)は落車してしまった。幸い怪我は大したことがなかったので良かった。

1日中、集団を引いて仕事をしたが結果には繋がらなかった。最後の5kmで3箇所も落車が発生していたし、波乱のレースを無事にフィニッシュ出来て良かった。

Text:飯島美和
『Team ユキヤ通信 2018 No.23』19,April,2018 Tour of Croatia Stage 2