2018年4月8日からエリート女子「The Princess Maha Chakri Sirindhorn’s Cup Tour of Thailand 2018(UCI2.1)」が始まった。

タイ北部の都市コーンケーンの周辺のほぼ平坦コースで3つのステージで争われる。日本チームは梶原悠未をエースとして上野みなみ、唐見美世子、吉川美穂金子広美の5名で臨んだ。

初日の第1ステージは20kmのTTT(チームタイムトライアル)と40kmのロードレース、2つのハーフステージで争われた。今大会の個人総合で上位に入るためには、初日のTTTが最重要となっており、梶原、上野、唐見を中心にタイムを稼いでいく必要があった。

風との勝負、ノーマルバイクでタイムトライアル

日本ナショナルチーム

日本ナショナルチーム

午前中に行なわれたTTTは片道10kmの平坦で単調なコースではあるが、行きは追い風と横追い風、帰りは向かい風と斜め前からの横風区間となるためペース配分も重要となる。TTバイクの使用は許されず、各チームノーマルバイクでのTTTとなった。

スタートして上野、梶原が中心となりきつい区間を長めに牽いてペースを保つ。風向きによりローテーションが乱れる時もあったが、チームとして各選手最善を尽くし5名全員でゴールした。

日本ナショナルチーム

引用:JCF

リオオリンピック銀メダリストのチームが優勝

ロシアナショナルチーム

ロシアナショナルチーム

ステージ優勝はロシアナショナルチームで、リオオリンピックでも個人TTで2位に入っているOlga ZABELINSKAYAが強力にチームを引っ張り2位のHI-TECH PRODUCTSに1分23秒差をつけて圧勝した。

ロシアナショナルチームの平均スピードはノーマルバイクで46.872km/h、日本チームは3位のWOLRD CYCLING CENTERに4秒遅れの4位で平均スピードは43.306km/hであった。

TTT(20km) 競技結果

1位 ロシアナショナルチーム 25分36秒10
2位 HITEC PRODUCTS 1分23秒02遅れ
3位 WOLRD CYCLING CENTER 2分1秒97遅れ
4位 日本ナショナルチーム 2分6秒48遅れ

午後は梶原のスプリントでステージ優勝狙う

午後のハーフステージは平坦基調のコースで距離も短く、リーダーチームのロシアは集団スプリントでボーナスタイムを奪われても個人総合は安泰であった。また多くのチームがスプリンターを抱えており、集団スプリントとなることが予想された。日本チームは梶原のスプリントでステージ優勝を狙う。

レースはスタートしてから後半までリーダーチームのロシアがコントロールして進む。日本チームはラスト3kmからの道が狭く粗くなる区間でも集団前方をキープしたものの、チームとしてうまくまとまることが出来ない。

吉川が敢闘賞でステージ5位

梶原は向かい風で道の悪いラスト300mから2018アジアロードチャンピオンのThi That NGUYENとともに早掛けしたが、ゴール前で梶原の番手をキープしていたタイのエーススプリンターJutatip MANEEPHANが抜け出し優勝。

梶原はラスト100mで失速して6位となった。吉川がこの日敢闘賞を獲得しステージ5位となった。

勝負所でのチーム連携が課題

日本チームは各選手が集団の前をキープすることは出来たが、勝負所となるレース後半のスプリントの準備段階で、チームとしてまとまりきることが出来なかった。第2ステージでは修正して、チームで連携をとって梶原のステージ優勝を狙っていく。

競技結果

1位 Jutatip MANEEPHAN(タイナショナルチーム)
2位 Daniela GASS(MAASLANDSTER INTERNATIONAL WOMENS)
3位 Nina KESSLER(HITEC PRODUCTS)
5位 吉川美穂(Japan National Team)
6位 梶原悠未(Japan National Team)
19位 唐見美世子(Japan National Team)
25位 上野みなみ(Japan National Team)
43位 金子広美(Japan National Team)

個人総合成績

1位 Olga ZABELINSKAYA(ロシアナショナルチーム) 1時間22分13秒
2位 Gulnaz BADYKOVA(ロシアナショナルチーム) 同タイム
3位 Karina KASENOVA (ロシアナショナルチーム)同タイム
13位 吉川美穂(Japan National Team)2分6秒差
14位 梶原悠未(Japan National Team)同タイム
15位 唐見美世子(Japan National Team)同タイム
16位 上野みなみ(Japan National Team)同タイム
17位 金子広美(Japan National Team)同タイム

 

JCF強化コーチ 柿木孝之

情報提供・引用:JCF

原文:JCF