いよいよe-bikeによる本格的なロードレースが開催される。2018年5月4日〜27日に開催されるUCIワールド・ツアー「ジロ・デ・イタリア」で、電動アシスト付きロードバイクのe-bikeによるステージレース「Giro E」が開催される。
電動ロードバイク(e-bike)の本格レース「Giro E」
レース名はジロ・デ・イタリアにちなむ「Giro E」だ。18のステージを走行する本格的なステージレースで、Enel、Pinarello、TAG Heuerの3社がメインスポンサーとなっている。
開催はジロ・デ・イタリアレース期間中の5月4日。ジロの第4ステージと合わせて行われ、ジロと同様のコースを、まずは「Giro E」で、その後にジロの選手が走るという。
ルールもまた特殊で興味深い。まず2人1組みで1チームとなり、現在5チームの参戦が予定されている。そして、全チーム共通モデルのe-bikeに乗って競う。この辺りは電気自動車のF1「フォーミュラE」の初期と似たレギュレーションだ。
Pinarelloのe-ロードバイク「Nytro(ナイトロ)」
使用されるe-bikeは2017年11月に発表されたPinarelloのNytro(ナイトロ)。このNytroは電動ロードバイクの中では最軽量モデル(約13kg)であり、フレームジオメトリはチームスカイが使用する「DOGMA F10」と同じだという。フレーム内にバッテリーが収められ、電動アシスト自転車にありがちな野暮ったさは見当たらない。まさに、エンターテイメントでもあるロードレースに相応しい、美しさと高性能さを持ち合わせたe-bikeだ。
電動ロードが電動F1マシンと共に走行するイベントも
Giro Eの開催発表を記念し、チームスカイのイタリア出身選手ジャンニ・モスコンがNytroに乗り、元フェラーリのF1ドライバー、ジャンカルロ・フィジケラがフォーミュラEのマシンを駆り、ローマの街を駆け抜けるイベントも開催された。
2017年にはUEC(ヨーロッパ自転車競技連合)がeバイクを使用したレースを正式種目化するよう、取り組みを進めていることを発表しており、ついにその先鞭となる公式大会が開催されるのだ。ヨーロッパでは爆発的な普及率の高まりをみせているeバイク、それがスポーツとしてどこまでの盛り上がりをみせるのか。まずはこの「Giro E」に注目だ。
公式ウェブサイト:http://www.giroditalia.it/eng/news/giro-e-announced-in-rome-the-giro-ditalia-on-e-bikes/