2月17日のUCIによる声明では、大きく分けて経済・社会・環境の3点から「ロード世界選手権2021」の開催がもたらした影響について述べられている。
経済的影響
本大会によって、開催地のフランデレン地域に及ぼされた経済的影響は以下の通り。
来場客数(重複含める):150万人
来場客数(重複含めず):100万人
外国人来場客:10万人
全体の約10%を占める外国人来場客はオランダやフランス、イギリス、ドイツなどの隣国からの来訪者が多くを占める。今回初めてフランドルを訪れた来場客の大半が「再訪したい」「家族や友人に勧めたい」などの好印象を持った。
平均宿泊日数(フランデレンでの):4.5日
来場客による合計支出(フランデレンでの):3,600万ユーロ(約46.5億円)
本大会によるフランデレン地域への総利益:2,740万ユーロ(35.3億円)
*2022年2月21日現在の為替を参照・1ユーロ=129.00円で計算
社会的影響
UCIは社会的影響についても言及している。
本大会は113カ国のテレビで放映され、2億800万人が視聴したと発表。加えて、大会の様子はSNSでも数千万人に届けられ、自転車競技だけでなく、開催地であるフランドルの魅力についても、多くの人に届けられたとしている。
またパラサイクリング競技(サイドイベント)の実施や、社会的弱者とされる人々が大会ボランディアとして開催に携わったことで、そうした課題への認知を広めることにも寄与した。
環境的影響
大会パートナーであるデロイト社による環境面に対する評価も紹介されている。
本大会では電気自動車やバイオディーゼル燃料などが使用されたことで、CO2の排出量が52%削減された。また、真空式トイレを使用することで約35万リットルの水が節約され、回収された約25トンの排泄物のうち29%はリサイクルされた。
ちなみに、本大会は初めて「全面禁煙」にて開催されたロード世界選手権でもある(癌患者のためのチャリティーとして実施された)。
UCI会長コメント
現UCI会長を務めるダビデ・ラパルティアン氏は以下のようにコメントしている。
「本レポートは『UCIロード世界選手権2021』が素晴らしい大会だったことを証明するものです。また、毎年開催される本大会が経済的・社会的な好影響を開催地域にもたらし、社会的な包括やアクセシビリティ、そして環境面に関しても、開催中から開催後にかけて貢献していることが確認されました。
『Flanders 2021(本開催)』はUCIロード世界選手権の100回記念大会として素晴らしい雰囲気を作り上げました。
我々を暖かく迎え入れ、世界中のサイクリングコミュニティにとって記憶に残る大会を作り上げた、フランドル地域と大会ボランディア、開催運営委員会の皆様の努力に心より感謝とお祝いの意を表します」