2024年8月29日からスタートするパリパラリンピックの自転車競技。この記事ではパリパラリンピックをはじめとした様々な大会で活躍する「日本を代表するパラサイクリストたち」をシリーズでお届けしていく。第4弾は木村和平 & 三浦生誠。

第1弾:杉浦佳子
第2弾:藤田征樹
第3弾:川本翔大
第4弾:木村和平 & 三浦生誠

木村和平

(左)木村和平

1996年生まれ、27歳(2024年8月時点)。2018年ごろから2人乗りの「タンデム」自転車でパラサイクリングの国際大会に出場してきたが、2021年の東京パラリンピックには出場できず。専門種目を短距離に絞り、2024年、念願のパラリンピックに挑む。

ここまでの歩み

生まれつき「弱視」の視覚障害があり、現在の視力は0.04ほど。しかし幼少期から体を動かすことは好きで、健常者に混じってサッカーを行なってきた。ブラインドサッカーでのパラリンピック出場を断念した先に、盲学校の先生の勧めでパラサイクリングに出会う。

2018年からパラサイクリングの国際大会に出場するようになり、トラック中長距離選手だった倉林巧和とのペアで東京パラリンピック出場を目指してきた。しかし出場枠獲得ができず、東京を期に引退した倉林に代わってペアとなった三浦生誠とのペアで、念願のパラリンピックへ挑む。

三浦生誠

木村和平の相棒として重要な役割を担うのが、三浦生誠。

タンデム自転車では前の席に晴眼の選手(パイロット)が、後ろの席に障害を持つ選手(ストーカー)が座り、ペアを組んで自転車を走らせる。三浦はこのパイロットの役割を担う。

前後のチェーンは連動しており、体同士もとても近い。動くタイミング、漕ぐスピードなど、さまざまな面で息がぴったり合うことが重要となる。

三浦は2001年生まれの23歳(2024年8月時点)。2024年現在は日本競輪選手養成所に在籍し、競輪選手になるためのトレーニングをしている短距離種目のスペシャリスト。大学時代は大学の自転車競技でのみ行われる「タンデムスプリント」で活躍し、2022年から木村とペアを組むように。東京パラサイクリング以降トラック種目(短距離種目)に照準を絞ってきた木村と、自身の短距離スキルを組み合わせ、パリパラリンピックへ挑む。

なお競輪選手候補生がパラリンピックに出場するのは史上初であり、その点でも注目が集まる。

木村&三浦のクラス・出場種目

パラサイクリングは障害の種類や重度によりたくさんのクラスに分類されており、木村和平は「MB」のクラスとなる。

「MB」の意味
M Men、男性の意。
B ブラインドのB。視覚障害を持つ選手のためのクラスで、タンデム(2人乗り)自転車を使用する。

木村&三浦の得意種目はトラックだが、パリパラリンピックではロードレース種目にも出場予定。

トラック 個人パシュート
1kmTT
ロード ロードTT
ロードレース

パリパラリンピック スケジュール:

【パリパラリンピック】自転車競技の開催日程・出場予定選手一覧

各種目のルール説明:

自転車だけで51の金メダル!?パリパラリンピックで行われる「パラサイクリング」

参考:JPCF公式サイト(木村)(三浦日本競輪選手養成所
追い風マガジン「1000分の1秒を制し その真価を見せつける
パラサポweb「パラリンピックの夢を追ってサッカーから転向
日本パラリンピック委員会 かんたん自転車ガイド(PDF)

「日本を代表するパラサイクリストたち」
シリーズ一覧

第1弾:杉浦佳子
第2弾:藤田征樹
第3弾:川本翔大
第4弾:木村和平 & 三浦生誠