2024年8月29日(日本時間)からスタートするパリ2024パラリンピックの自転車競技種目。トラック競技ではタイムトライアル、個人パシュートと男女混合のチームスプリント、ロードではタイムトライアルとロードレース、そして男女混合のチームリレーが行われる。
種目数自体は各3つとそこまで多くないが、パラサイクリングの複雑さは「クラス分けがされる」ということ。それぞれのクラスでメダル獲得者が決まるため、全部で51もの金メダルが授与されることになる。
この記事では、改めて「パラサイクリングのクラス分け」「パラサイクリングの競技種目」を、パラリンピック実施種目にフォーカスしてご紹介しよう。観戦の一助になれば幸いだ。
パラサイクリングのクラス分け
C1、H1、B2……これらはパラサイクリングのクラスを表現するものの一部。複雑そうだが、ざっくりと2つのことを覚えと分かり易くなる。
①アルファベットは「使用する自転車の種類」
まずは「アルファベットは使用する自転車の種類」を示している、という点を覚えよう。
C…普通の自転車
B…タンデム(2人乗り)の自転車
H…ハンドサイクル(手で漕ぐ自転車)
T…トライシクル(三輪自転車)
Cクラスの普通の自転車は、麻痺や四肢切断などの障害があるものの普通の自転車を使える選手が使用する。「普通の自転車」ではあるが、片手がない選手のためにハンドルが加工されているなど、それぞれの障害に合わせたカスタマイズがされている点にも注目したい。
BクラスのBは「ブラインド」のBだと覚えよう。このクラスで使用する自転車はタンデム(2人乗り)自転車で、前の席に晴眼者、後ろの席に視覚障害者が乗る(前をパイロット、後ろをストーカーと呼ぶ)。
Hクラスは下半身に障害がある人などが使用する、ハンドサイクル(手で漕ぐ自転車)のクラス。
Tクラスの三輪自転車は、バランスが保てない人などが使用する自転車。
②数字は「障害の重度」
「C1」「C2」など、アルファベットの後ろについている数字は、5段階で「障害の重度」を示している。間違「数字が小さいほど障害が重い」という点なので、注意しておこう。
※Tクラスは1、2のみ、Bクラスは数字なし
また中には「C1-2クラス」のように複数のクラスが合同で競技を行う場合もある。競技人口が少ないために行われる措置だが、こういった形式のタイムトライアル種目では、出したタイムにそれぞれの障害の重度に応じた係数を掛け、最終的な着順を決定する(仮にC1クラスの選手とC2クラスの選手が同じタイムでフィニッシュした場合、C2クラスの選手に追加で係数がかけられるため、C1クラスの選手が勝者となる)。
頭につくM、Wは……
クラス分けを示す「アルファベット+数字」についてご紹介したが、場合によっては「MC1」「WC2」のような表記がなされる場合がある。
この頭につくM、Wは「MEN」「WOMEN」の略。「MC1」であれば「男子C1クラス」の意味なので、覚えておくと良いだろう。