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チームスプリントが最重要
以前、オランダの短距離ヘッドコーチのヒューゴ・ハック氏がMore CADENCEのインタビューで語ってもいたが、オランダが最重要視しているのはチームスプリント。「外的要因に結果が左右されることが最も少ない種目」であることが理由として挙げられた。
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チームスプリントはタイムを競う種目。ケイリンやスプリントのようなレース種目と異なり、展開などの不確定要素が少なく、確実に最速タイムを叩き出せれば金メダルが獲得出来る。
そのため2020世界選手権では2位イギリスを約1.2秒突き放しての世界記録を記録したオランダは、東京オリンピックにおいてチームスプリントを最重要種目と考えている。そしてチームスプリントでの金メダルを盤石の物とする”4人目”を必要としている。
オランダ”だけ”が出来る最強戦術
そもそも何故チームスプリントに4人が必要なのか?その答えは、近年のオランダが繰り出す戦術にある。
チームスプリントは3人1組、予選→1回戦→決勝と勝ち上がるが、最大登録選手数は“4人”。選手の組み合わせは各回戦毎に変更が可能である。
現状オランダのチームの第1走はロイ・バンデンバーグ、第2走はハリー・ラブレイセン、ここまでは固定のメンバー。
しかし第3走には、マティエス・ブフリとジェフリー・ホーフラントの2人がいる。
2020世界選手権ではブフリが予選、ホーフラントが1回戦と決勝を走り、世界記録を1日に2度も更新して優勝した。第3走を途中で入れ替えることでホーフラントの体力温存が可能となり、好タイムと順位結果も狙えることになる。
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