第13~15ステージ:実力者たちが力を発揮

第13ステージ:ペテル・サガンがツール・ド・フランス通算11勝目を果たす

ガビリアなどの強力なライバルもリタイアし、マイヨ・ヴェールをほぼ確定させたサガン。

数多く選手がリタイアを余儀なくされたアルプス3連戦を終え、プロトンは久しぶりに平穏な1日を迎えた。

事前の予想通りフィニッシュは集団スプリントとなった。

アルノー・デマール(フランス/グルパマFDJ)やアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー/UAEチーム・エミレーツ)を下して、6回目のマイヨ・ヴェール獲得を目指すペテル・サガンが今大会3度目、ツール・ド・フランス通算11勝目を記録。

第14ステージ:亡き英雄へ捧ぐ勝利 カザフスタンのオマール・フライレが初出場でステージ優勝

オマール・フライレ

先日惜しくも亡くなったカザフスタン国籍のフィギュアスケーター、デニス・テンに捧げる勝利となった。

続く第14ステージでは30名を超える逃げ集団がメイン集団とのタイム差を最大20分以上にまで広げ、188kmの道程のほぼ全てを集団はゆったりと過ごすことができていた。

短距離山岳のパンチャー向け名ゴール「マンド」を制したのはオマール・フライレ(スペイン/アスタナ・プロチーム)。2015年・2016年のブエルタ・ア・エスパーニャ山岳賞を獲得し、2017年にはジロ・デ・イタリアの山岳ステージで逃げ切り勝利を果たした実力派クライマーだ。

残り35kmから独走を開始したヤスペル・スタイフェン(ベルギー/トレック・セガフレード)を追い抜き、追走を仕掛けたジュリアン・アラフィリップを振り切って、初出場のツール・ド・フランスでいきなりのステージ優勝を果たした。

18分遅れでゴールに到達したメイン集団もラスト5km付近から始まる厳しい登り「クロワヌーヴ」(平均勾配10%)で、総合4位プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア/チーム・ロットNLユンボ)のアタックを皮切りに活性化。

総合3位のデュムランもハイペースで追走を仕掛け、総合5位バルデも総合6位ランダも付いていくことができず引き離された。

最終的にログリッチェはデュムランたちに対し8秒差をつけてゴール。デュムランはフルーム、トーマスと同タイムでのゴールとなった。

カザフスタン所属のアスタナプロチームはこの日、7月19日に強盗にあい命を落としたカザフスタン国籍のフィギュアスケーターデニス・テン選手に哀悼の意を込めて、左腕に喪章をつけて走っていた。

フライレのステージ優勝は、非業の死を遂げたカザフスタンの英雄に捧げられる勝利となった。

第15ステージ マウヌス・コルトニールスンがゴールスプリントを制す

マウヌス・コルトニールスン

圧巻のスプリントを見せ勝利したコルトニールスン

第15ステージも前日ほどではないものの大きなタイム差がつき、逃げ集団の中での優勝争いが展開された。終盤に12kmにも及ぶ1級山岳が控える中級山岳ステージ。

30名弱の逃げ集団の中から昨年も1勝しているリリアン・カルメジャーヌ(フランス)やファビアン・グレリエ(フランス)など、ディレクトエネルジーの選手が活発に動いていく。

その後、過去2度の山岳賞を獲得しているラファウ・マイカ(ポーランド/ボーラ・ハンスグローエ)が1級山岳山頂を含めて先頭で独走するものの、終盤の長い平坦区間で追いつかれてしまう。結果、残り15kmで8名ほどの小さい集団が形成された。

その中から抜け出したのが、バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)、ヨン・イサギレ(スペイン/バーレーン・メリダ)、そしてマウヌス・コルトニールスン(デンマーク/アスタナ・プロチーム)の3名であった。

最終的にこの3名によるスプリント勝負となるが、過去2回、ブエルタ・ア・エスパーニャでの集団スプリントを制しているコルトニールスンが他2名を突き放しての圧勝。

アスタナにとっては2日連続での勝利となった。

今年のツール・ド・フランスも残すところあと6ステージ。

65km超短距離山岳ステージを含むピレネーの難関山岳たちも残されており、まだまだ総合優勝争いも山岳賞争いも予想のつかない展開が待ち受けていそうだ。

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