スプリンター対決の顔ぶれに変化

フェルナンド・ガビリア

人生最初のツール・ド・フランスの1日を勝利で終えることのできたガビリア Photo by Tim de Waele/Getty Images

クライマーたちによる山岳争いと並んで、ツール・ド・フランスのもう1つの華となるのが最高時速60kmを超えるスプリンター対決だ。今年のツール・ド・フランスは例年と比べ平坦ステージの割合が多く、スプリンターによる直接対決の機会も増えている。

この第1週で勝利を掴んだスプリンターは3名。

今年ツール初出場のフェルナンド・ガビリア(コロンビア/クイックステップ・フロアーズ)、3年連続世界チャンピオンに輝いているペテル・サガン(スロバキア/ボーラ・ハンスグローエ)、そして昨年のシャンゼリゼを制しているディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ/チーム・ロットNLユンボ)である。この3名がそれぞれ2勝ずつを獲得している。

フルーネヴェーヘン

ガビリア、グライペル、サガンらを打ち倒し、一気に最強スプリンター候補に登りつめたフルーネヴェーヘン Photo by Tim de Waele/Getty Images

1週目のクライマックスを彩る第7・第8ステージでは、昨年シャンゼリゼの覇者デュラン・フルーネヴェーヘンが連勝。

いずれも集団の中に埋もれた位置から、力強い加速によりライバルたちを一気に抜き去っての勝利だった。昨年のシャンゼリゼに続き3勝目。

デュランはまだ25歳という若さだ。23歳のガビリアの勝利といい、若手世代のスプリンターが台頭してきている。

振るわなかった昨年の強者たちも

逆に、昨年5勝を記録したマルセル・キッテル(ドイツ/カチューシャ・アルペシン)や、2年前に4勝しているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス/ディメンションデータ)などは、今シーズンの不調を引きずる形で勝利を得られないまま1週目を終えることになった。

フェルナンド・ガビリアは、チームメートのアリエルマクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン)の強力なアシストにも助けられ、第1ステージと第4ステージで勝利。第1ステージでの勝利で、コロンビア人としては初のマイヨ・ジョーヌ着用も果たした。

サガンの強さは健在

見慣れた緑色のマイヨ・ヴェールに加え、その胸のスポンサーには世界チャンピオンであることを示すアルカンシェル(虹色) Photo by Tim de Waele/Getty Images

一方ガビリアが残り2km地点で落車した第2ステージとスプリンターには厳しいアップダウンの続いた第5ステージではペテル・サガンが勝利した。

昨年のツールでは第4ステージの接触により失格処分を受け、6年連続となるマイヨ・ヴェール(ポイント賞ジャージ)獲得を阻まれたが、今年は2年ぶり6度目のマイヨ・ヴェール獲得に向けて非常に良い状態で1週目を終えている。

今年のツールに残された、スプリンター向けのステージは、第13・第18・第21(シャンゼリゼ)の3つ。

マイヨ・ジョーヌ(総合優勝)争いと並び、このスプリンター最強決定戦もまた、見逃すことのできない戦いである。

第1週終了時点での総合順位

※総合11位以降は過去にグランツールで総合3位以内に入ったことのある優勝候補のみ掲載