2022年10月8日(土)、トラック中長距離とロードの2競技で活躍するイタリア男子選手のフィリポ・ガンナUCIアワーレコードの新記録を樹立した。

本記事では、本チャンレンジとその結果についてお伝えしていく。

本チャレンジの概要

実施日程:2022年10月8日(土曜)
実施会場:TISSOT Velodrome(スイス・グレンヘン)
実施した選手:フィリポ・ガンナ(1996生まれ

「アワーレコードとは?」についてはコチラ

チームメイトの記録を更新

今回フィリポ・ガンナが挑んだ記録は「55.548km」。2ヶ月弱前にイギリスのダニエル・ビッガムが樹立した記録だ。

ダニエル・ビッガムはフィリポ・ガンナと同じUCIワールドチーム(ロード)の「INEOS Grenadiers(以下イネオス)」に所属する選手。しかし2人がロード種目に一緒に出場したことはない。ダニエル・ビッガムはトラック中長距離やロードTT種目で活躍する一方、イネオスでは選手ではなくエンジニアスタッフとして働いている人物だからだ。

3年ぶりの新記録!ダニエル・ビッガムがUCIアワーレコードの世界記録を更新

2022年以前からの計画

英誌cyclingnewsによると、2022年8月19日にアワーレコードに挑んだダニエル・ビッガムは、もちろん自身での記録樹立も目指していた一方、フィリポ・ガンナによる記録更新を目標とするプロジェクトの一環として挑戦することを、2022年以前から既に計画していたとのこと。

今回はそのデータをもとに、ガンナがアワーレコードにチャレンジしたということとなる。

参照:cyclingnews「Project Ganna – Dan Bigham the mastermind of plot to take down his own Hour Record」

実践データをフル活用し、1km以上を更新

ダニエル・ビッガムを擁するイネオスがサポートを行う、フィリポ・ガンナによるアワーレコード更新プロジェクト。

2人の体格や脚質は違えど、スイス・グレンヘンにある同会場で実施したり、ダニエル・ビッガムが駆ったプロトタイプバイクを新モデルとして完成させて使用したりと、同様の環境や条件などが採用された今回の挑戦。

その他にも、ベロドローム室内の気温や、ウォームアップの仕方など、1度挑戦して得たデータや経験をフル活用して実施したことが、cyclingnewsでのインタビューでも明かされていた。

開始15分後からの巻き返し

少数の関係者のみが現地で見守っていたダニエル・ビッガムの挑戦時とは異なり、多くの観客の前でスタートを切ったフィリポ・ガンナ。

前半15分時点の中間計測ではダニエル・ビッガムの基準タイムより3秒程遅れる場面もあったが、30分が経過した折り返し地点では10秒以上も上回り、「27.750km」を通過。

そこから基準タイムとの差を広げていき、ラスト1分を前に記録更新が確定。さらに周回を重ね、結果1.244kmを更新する「56.792km」の世界新記録を樹立した。

観客の声援のなか1時間を走り終えた挑戦者のもとには、ジョナサン・ミランフランチェスコ・ラモーンなど、男子チームパシュート世界王者のメンバーらが駆け寄り、喜びを分かち合う一幕もあった。

フィリポ・ガンナが使用した機材などについては、以下記事をチェック

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本人コメント「僕達ならまた更新できる」

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