上り区間で広げる差
1周目の先頭はエンリケ・アバンシーニ(ブランジル)やシューター、コレツキー、ピドコックら十数人が、集団一列で少しずつ間を空けながら走行していく。
2周目に入るコントロールラインでシューターが加速すると、全体がさらにスピードアップ。2周目のピットエリアに入る頃、先頭は強豪メンバーが固まり始める。
3周目中盤、先頭はピドコック、シューター、フルッキガー、少し離れてクーパーと4人になった。そのうしろからは、コレツキーとオンドレイ・シンク(チェコ)、アバンシーニらが追う。
4周目、4人の先頭グループから勾配の大きい上りでピドコックがペースを上げると、シューターがしっかりその後ろを追った。岩が連なるテクニカルな下りセクションなどでは遅れを取ることはなかったシューターだが、ロード選手としても活躍するピドコックの上り区間や平地区間のスピードに対して、差をつけられてしまう様子が見られた。
シューターをパスした同国のフルッキガーが今度は2番手に躍り出ると、一気にピドコックの後輪へと飛びついた。しかし後輪を捉えたのも束の間、上り区間になるとやはりピドコックの速さが上回る。
追いつくも、また離されるフルッキガー
5周目の急勾配な上りでバランスを崩したフルッキガーはバイクを降りて押すこともあり、ピドコックと20秒ほどのタイム差をつけられた。
後方、クーパー、シューター、コレツキー、シンクの3位集団と先頭ピドコックとの差は40秒ほどまで広がる。
先頭、追走、3位争いの集団
4人の3位争いも熾烈な展開になる中、ラスト2周の中盤でシンクが後輪を無念のパンク。表彰台争いから脱落してしまう。
ラスト2周後半でもピドコックとフルッキガーの差は20秒ほどのまま。3位集団とは1分ほどの差がついた。
ピドコックは最終周回に入ってもスピードが落ちない。ペダリングもバイクコントロールも何も障害などないかのように、スムーズにバイクを進めていく。後ろのフルッキガーとは20秒ほどのタイム差をキープし続けた。
最後の上りを終えたピドコックは、フィニッシュラインのストレート前に観客席から国旗を受け取ると、そのイギリス国旗を大きく掲げてのフィニッシュとなった。
2位はスイスのフルッキガー。
ラスト周回で3位集団に追いついたダヴィド・バレロ(スペイン)が、後半に仕掛けて抜け出し、3位の座を射止めた。