自転車で雪の上を走り、タイムや着順を競う競技である「スノーバイク(Snow Bike)」。UCI管轄下にて2024年に初めて世界選手権が開催され、2025年2月には第2回大会が行われた。
スノーバイク(Snow Bike)とは
スノーバイク(Snow Bike)とは、その名の通り雪の上を走る自転車競技。タイムや着順を競うレース種目で、世界選手権では「雪山を駆け降りる」タイプの種目……「Super-G(スーパー大回転)」と「Dual Slalom(デュアルスラローム)」の2種目が行われている。
このような特性から、カテゴリーとしてはMTB(マウンテンバイク)の1種目という扱い。同じ「山を駆け降りる」タイプの種目であるMTBのDH(ダウンヒル)種目で活動する選手が出場する例が多い。
『2025世界選手権』で女子スーパー大回転&デュアルスラロームのダブル優勝を遂げたのも、MTBで活躍するスイスのリサ・バウマン。2024年MTB ダウンヒル種目のヨーロッパチャンピオンでもある。
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大会の模様を伝えるSNSアカウントもMTBのものと兼用されている。
Super-G(スーパー大回転)
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1人ずつ出走し、タイムを計測する種目。一番タイムが短い選手が勝者となる。『2025世界選手権』では1915mの距離を男子は1分45秒〜2分38秒ほどの距離で走行。
Dual Slalom(デュアルスラローム)
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2選手が横並びになった2つのコースを同時にスタートし、タイムを計測。2レース目はコースを交代し、2つのコースの合計タイムが短い方が、次のラウンドに進出する。トーナメント形式で行われる種目だ。
気温マイナスの雪山で実施!
スーパー大回転の公式リザルトには、競技実施時の気温の記録もある。朝9時から行われたこの種目は、-1℃〜-4℃の寒さの中で行われた。
デュアルスラロームの公式リザルトには気温などの情報がなかったものの、本種目はスーパー大回転が行われた同日の18:00〜20:30の時間に実施されている。レース映像を見ても明らかに日の落ちた中での実施なので、日中に行われたスーパー大回転よりさらに低い気温の中で行われたと思われる。
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にも関わらずこの観客の数!
この大会はフランスとスイスの国境に位置するシャテルというフランス有数のスキーリゾートで行われたが、出場選手の多くがフランスまたはスイスの選手であることからも読み取れるように、この地域のスノーアクティビティの人気の高さが伺われる。
まだ始まったばかりの「スノーバイク」
2024年に初めて世界選手権が行われ、まだ(公的な形としては)始まったばかりのスノーバイク。前述の通りフランス、スイスの選手による参加が多く、出場国が偏っているものの、2025大会ではブラジルの選手も参加しており、女子選手は前年の2倍の参加となった。
1日で完結するコンパクトな世界選手権であること、そして実施種目がシンプル(着順やタイムを競う、見てわかりやすいもの)ということもあり、中継での観戦のハードルが低い大会と言えるだろう。
まだ始まったばかり、これから発展していくであろう「スノーバイク」にぜひ注目していただきたい。