国際試合のシーズンが本格化するため、ロシアへの帰国を目前に控えたアナスタシア・ボイノワ(Anastasiia Voinova)選手。川崎【F2】ガールズケイリン最終日の決勝レース直後、興奮も冷めやらぬ中で、初来日の感想と今後の展望についてを訊ねた。
【特別インタビュー】オリンピック金メダル候補、2017UCIトラック世界選手権金メダリスト/アナスタシア・ボイノワ(Anastasiia Voinova)
アナスタシア・ボイノワ(Anastasiia Voinova)選手インタビュー
今日のレースは想定通りの展開でしたか?
ああいう展開も想定はしていました。なので、自分としてはミスを犯したから負けた訳ではなく、残念ながら今日の結果はステファニー・モートン選手の方がちょっとだけ強かったという事です。
ロックダウン(外部と連絡が取れなくなる環境)はどうでしたか?
たった4日間のことだったので、それ自体は辛いと思いませんでした。むしろ精神的にリラックスできので良かったとも言えます。ただ、普段はコーチにアドバイスをもらいながらレースをするので、連絡が取れないという事は、全て自分で考えねばならないという事なので、それは大変だったかもしれませんね。
競輪場の宿舎で思い出に残っている食事をひとつだけ挙げるなら?
何が美味しかった?と聞かれれば、日本の食事は全部美味しかったと言えます。ただ印象に残っているのはゆで卵。目玉焼きが出ても、必ずゆで卵を注文していたくらいですから。
なぜ、ゆで卵なんですか?
卵にはプロテインが含まれ、栄養が優れていますからね。日本の食事は美味しいんですが、油をあまり採らない様に、と栄養指導をされているため、結果的にゆで卵になっちゃうんです。毎回食堂のおばさんに「ゆで卵お願いします」と頼みに行ってました。
今後のスケジュールは?
10月18日からベルリンで開催されるヨーロッパ選手権、その後にワールドカップが2戦(ポーランド、イギリス)あります。ワールドカップではまた、今回一緒にガールズケイリンを戦った選手とも一緒になると思います。ただ、世界には他にも強い選手が沢山います。その中でもステファニー・モートン選手は最も強い選手の一人と言えるでしょうね。
まとめ
他3名の外国人選手とは異なり、約4ヶ月程日本に滞在していたボイノワ選手には何度か取材の機会があった。少しシャイなのか、カメラを向けるといつも恥ずかしそうな顔をしていた。それでもカメラに気づけばポーズを作ってくれたり、インタビュー時には日本語の挨拶を必ず織り交ぜるなど、日本のファンへ対する気遣いの姿勢が非常に印象的であった。
今回の日本滞在は彼女のレースキャリアにとって、どれほどの力となったのか?その結果は、これから始まるトラック競技シーズンで見られるはずだ。彼女の活躍に大きな期待をしたい。
10月18日からのヨーロッパ選手権では、同じく今年に来日をしていたデニス・ドミトリエフ選手、シェーン・パーキンス選手もボイノワ選手と同じロシアナショナルチームで出場。彼女たちのトラック競技における活躍にも、引き続き注目しよう。
Interview : Mizuki Ida
Text/Photo : Shutaro Mochizuki