古性優作選手インタビュー

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一本一本が、本当に大事なレース

Q:KEIRINグランプリは注目度が高いレース。そこで活躍することで、どんな影響を与えたいですか?

グランプリは普段競輪を観ない人でも観るようなレースだと思います。僕だけじゃなく、出場者全員が熱い、ドキドキするような走りをする。観ている人に「競輪の素晴らしさ」が伝わると良いなと思います。

Q:緊張には強いタイプですか?

走る前から結果は出てると思っているので。負けたら、それまでの準備ができていなかったと思うしかないです。

緊張はもちろんしますが、焦りはそんなにないですね。集中しているという緊張感なだけで、ベクトルが違うのかなと。

Q:“走る前に決まっている”という点について、もう少し聞かせてください。

グランプリ前のレースから、勝負はもちろん始まっています。グランプリを走る前の「自分の印象の与え方」とか……

発走前に脚力をあげようと思っても仕方ないので、自分の力を出し切ることだけに集中しています。

Q:それはどのレースに対しても一緒でしょうか?

一本一本が、本当に大事なレースだと思っています。ずっと「すごい選手」ではなかったので、一本一本を大事に走っておかないと、あっという間に取り残されるという感覚もあります。

それこそ脇本(雄太)さんや新田(祐大)さんほどの脚があれば……「どんな世界だろうな」と思いますね。脇本さんが安心できるような選手を目指したいです。

近畿の主力選手が3人残れば、決勝は分厚い。信頼してもらえるような、そういう選手になりたいですね。

意識は職人

Q:古性選手にとっての競輪の魅力は何でしょう。競輪は、職業として・アスリートとしてなど、自分の位置付けはありますか?

BMXから競輪に転向した時に、競輪のシンプルさに潜む奥深さに気づきました。

僕はスポーツ選手というより、陶芸家のような……自分の思っている作品を作り上げるために、日々精進をする感じですかね。対戦相手によって求められるものも変わりますし。

スポーツ選手という華やかな立場である自覚はないし、仕事と呼ぶような堅苦しいものでもなく「陶芸家」。自分の中でしかわからないものを求めているような感覚です。

それが万人受けするとは思っていません。でもそうやって作ってきたからこそ、僕のような“最初から強いわけではない選手”でも、こんな大一番を迎えるチャンスを得ることができたのだと思っています。

Q:まるで職人のような意識ですね。

そうですね、職人に近いんじゃないですかね。上位の選手を見ていると、そういう選手が多いのでは?と思います。自転車が進んでいても納得ができなかったり、1着を獲っても納得ができない。逆に、結果がダメでも得るものがあったりします。

リミットを外して挑む

Q:今一番詰めていきたい部分、要素はなんですか?

シンプルにタテ足ですね。トップスピードを上げたいです。

Q:レースのアグレッシブさと普段の穏やかな性格のギャップを感じます。

普段は激しくないです。レースの時はアグレッシブ・・・。

BMXは“危ない事した奴がカッコ良い”みたいな文化があるので、危ない事に対して免疫がついている感じはします(笑)「これしたら危ないけど、出来たらカッコ良いやん」っていう文化。競輪に置き換えたらあり得ない話ですけどね。

Q:「ネジが外れている」と言われたりは?

あまり言われないですよ。と言うのも「普通じゃない人」じゃないと、G1は走れないのでは?と思うので。

KEIRINグランプリで「何が何でも優勝したい」と思ったら皆ネジ外してくるでしょうし(笑)僕もネジを外す必要があるので、リミットを外して挑みます。

「コケない強み」古性優作インタビュー【後編】KEIRINグランプリ2021