トラック世界選手権2018の3日目、近谷涼チーム ブリヂストン サイクリング)が男子個人追い抜き(パシュート)に出場。自身が持つ日本記録から大幅にタイムを落としてしまい、予選敗退。レース後に「アジアと世界の違いを実感した」と語った。

個人追い抜き(パシュート)とは

男子は4km、トラック16周(女子は3km、12周)を走り、最も速く走った選手の勝利。予選はタイムトライアル。決勝はホームとバックに別れての対戦。決勝では種目の名前通り追い抜きを行うと、完走しなくても、その時点で追い抜いた選手の勝ちが決まる。

この種目には各国から21人の選手が参加。日本からは先日のアジア選手権でチャンピオンとなって日本記録を更新した近谷涼が参戦。

予選は4kmのタイムトライアル。この予選のタイムの上位2人が決勝に進出し、金メダルを賭けて戦う。3位決定戦は予選の3位と4位で銅メダル獲得を争う。その他の選手は予選のタイムを基に最終順位が決まる。

近谷涼,男子個人パシュート

近谷涼

近谷は中盤~終盤にかけて安定したペースで走ることができず、アジア選手権で自身が更新した日本記録から大きく落として4分32秒340でフィニッシュ。21位でこの種目を終えた。

近谷涼,オランダ,男子個人パシュート

予選リザルト

順位 チーム 選手名 TIME
1 ポーランド OLIVEIRA Ivo 4:12.365
2 イタリア GANNA Filippo 4:13.622
3 イギリス TANFIELD Charlie 4:14.025
4 ロシア EVTUSHENKO Alexander 4:14.742
5 ドイツ GROSS Felix 4:15.303
6 ドイツ THIELE Kersten 4:17.281
7 アメリカ LAMBIE Ashton 4:17.600
8 ベラルーシ SHEMETAU Mikhail 4:20.404
9 イギリス BIGHAM Daniel 4:20.647
10 スイス BISSEGGER Stefan 4:21.710
21 日本 近谷涼 4:32.340

大会公式リザルト

「来年は悔しい思いをしたくない」近谷涼

近谷涼,男子個人パシュート

この大観衆の雰囲気の中、気合は満々だったのですが、体が硬くて空回りしてしまいました。

周りの選手もタイムが上がってきていて、4分20秒を切らないと勝負にならないことも判りました。今回、序盤に走ったスピードを維持していても、4分20秒を切れるか切れないかといったところです。

やっぱり感じたのは、アジアと世界のレベルの違いです。来年は悔しい思いをしたくないので、まずは4分20秒を切れるようになって、少しでも上位に食い込めるように、再びこの舞台に戻ってきたいです。今の自分の立ち位置が判りました。

Text : Mizuki Ida
Photo : Shutaro Mochizuki