チームスプリント:世界で戦うための32秒台
前田、太田の両選手がタッグを組んで走った種目・チームスプリント。結果は3位。日本記録を大幅に更新し、33秒785でのメダル獲得となった。
だが実はこの2人、2017年11月のワールドカップ第1戦でも34秒257を出し、日本記録を更新している。たった3ヶ月でコンマ5秒を縮めてしまった2人。この先どこまで記録を伸ばすことができるのかが全く判らない。話を聞く限りではまだまだ改善の余地、そして余力はありそうだ。これからの成長に期待したい。
一方、優勝した中国チームのタイムは32秒817。日本記録とは、およそ1秒の差だ。現在の世界記録32秒034を持っているのも中国チーム。世界と戦うためには、まずは32秒台で走らなければならない現実がある。
前述した通り、スプリントもケイリンも強化が必要な中でブノワコーチがどの部分に絞って強化を進めるのか?それとも絞らずに強化を進めるのか?今後の短距離女子チームの方向性が重要になってくる。
いずれにせよ、今回の世界選手権、この種目の出場枠は無いため、次のレースまでにどれほど成長できるのかに期待したい。
オムニアム:梶原無双は世界に通用するか?
ここまで梶原悠未選手が圧倒的なレースを繰り広げると、誰が予想しただろうか。
少なくとも筆者は、男子のオムニアムで橋本英也選手が苦戦したことから、レース前までは楽観視はできないのでは?と思っていた。しかし、蓋を開けてみれば梶原選手の“無双”状態で全レースが終わってしまった。ここまで強いと、さすがに世界選手権でも大きな期待を抱いてしまう。
ただし、梶原選手本人も語っていたが、世界のトップが本気を出して臨む世界選手権は別格。去年の世界選手権で彼女が経験したレースは今シーズンのワールドカップ、アジア選手権とは選手たちの意気込み、そしてレベル全てが異なる。だからこその言葉なのだろう。
アジアで無敵の強さを誇る若干20歳の梶原選手の戦い、表彰台を狙える実力はあるはず。果たしてその結果は?