競輪選手によるトラック競技の大会があるって本当?「全プロ」の略称で親しまれる「全日本プロ選手権自転車競技大会」。本記事では「国内最高峰のプロ自転車競技大会」である「全プロ」、及び「地区プロ」について紹介する。
全プロって?
「全日本プロ選手権自転車競技大会」の略称。国内最高峰のプロ自転車競技大会として毎年開催されている。
この大会の開催目的は「種目別選手権者の決定」「プロ自転車選手の資質向上」「自転車競技の普及、競輪の健全なる発展に寄与すること」(第65回全日本プロ選手権自転車競技大会について)。普段は「競輪」という公営競技の世界でしのぎを削る競輪選手たちが、本気で「自転車競技」に取り組む大会だ。
もともと「世界選手権自転車競技大会のプロフェッショナル部門選考大会」という位置づけだったこの大会。1982年より開始された国際競輪(現在の短期登録制度)に参加中の外国人選手も参加するなど、競輪選手による純粋な「自転車競技大会」として定着した。
しかし1993年にトラックレースがオープン化(プロとアマの垣根がなくなった)。当大会で好成績を収めても、すぐに世界選手権の代表選手になれるとは限らなくなる。一時は大会の意義が薄れかけたが、寬仁親王の意向で『寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GⅠ)』の選考対象大会に。改めて、競輪選手が本気で取り組む大会となった。
現在は『寬仁親王牌』出場選手の選考対象大会 ※ となっていることもあり、出場選手は基本的に競輪選手のみ。しかしかつてロード部門が開催された際や、オリンピック代表選手選考も兼ねた大会時には、競輪選手以外も参加していた。
※2020年度は新型コロナウイルス感染拡大予防で全プロが中止になったため、寬仁親王牌の選考基準も変更された
全国8地区(北日本・関東・南関東・中部・近畿・中国・四国・九州地)でそれぞれ開催される地区プロ選手権、いわゆる「地区プロ」で上位の成績を収めた選手が「全プロ」に参加することができる。
2019年大会の様子は全編YouTubeで公開されている。