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ギア倍数が変わると?

ギア倍数が大きければ大きいほど踏み込む力が必要となる。例えば3.92のギアであれば、クランクが1回転するごとに後輪が3.92回転するということ。一般的な自転車(いわゆるママチャリ)は2.21-2.29ほどであるため、競輪で使用されているピストバイクはペダルを踏み込む力がかなり必要となることが分かる。

参考:森友工業「シングルスピードのギア比」

ギア倍数が高いと?

ギア倍数が高いことは、すなわち重いギアを踏むということ。そうなるとスタート時の加速が遅くなる特徴がある。

男子の競輪では「ギア倍数は4.0未満」の規制があるため、3.92あたりが競輪では高いギア倍数といえるだろう。

2020年高松宮記念競輪(GⅠ)の決勝では全員が3.9台のギアを踏んでいた。グレードの高いレースに出走する選手にとって、重めのギア倍数を選ぶことが現在の主流のようである。

一方、トラック競技のレースではギア倍数を公開していないが、大ギアの大きさを見るに、競輪よりも重いギアを踏んでいる選手がほとんどだろう(短距離種目の場合)。

深谷知広選手はニューカレドニア合宿で60×10の大ギア(ギア比6.0)で練習をしていた・・・・・(注:ハルクみたいな人でないと踏み切れません)

 

一度スピードに乗ってしまえばギア倍数が高いことは有利に働くが、加速するのに時間がかかることは否めない。

ギア倍数が低いと?

ギア倍数を低く設定すれば、踏み込みの時に必要とする力は少なくなり、より細かなスピード調整が可能となる。

例えば競輪選手でトラックナショナル中長距離チームにも所属している橋本英也選手は、3.85のギア倍数で競輪に出走している。

橋本英也選手情報

周りに合わせて何度も踏み込む必要がある中長距離種目の選手は、短距離の選手よりもギアを軽く設定していることが多いようだ。

また「細かなスピード調整」が求められる番手選手も、低いギア倍数を使用する傾向がある。

競輪選手がレース前にギア倍数を変更することがあるが、それが先行や捲り、番手などの作戦から来るものなのか、それとも天候(雨天や向かい風など)に適応するためなのか・・・。「ギア倍数の変更をどう読むか」がわかると、競輪予想にも役立ってくるだろう。

ギア倍数も競輪予想の情報の一つとして考えて、競輪を楽しんでいただきたい。

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