自転車競技の常識は、一般の非常識・・・かも知れない。自転車競技の世界へどっぷりと浸かっている選手や家族にとっては当たり前だが、外から見ている人たちや、他の競技を取材しているメディアにとっては驚きな事がある。この企画ではそんな自転車競技の不思議について迫り、答えを求めていく。

自転車競技の「なぜ?」

どうしてなの?何故そんなことをやっているの~?

引っ越し?どうしてそんな荷物の量に?

なぜなぜ?の経緯

以前のインタビューで梶原悠未選手が「遠征にいく時は、引っ越しのような大荷物になる」と語っていた。

世界女王:梶原悠未の学生生活、1日3時間トレーニングで文武両道【お元気ですかナショナルチーム】

家から出ていく時には引っ越しのようになるとのこと。実際の海外遠征の様子はこんなふう↓

よくこんなに乗せられましたね(笑)

答え:確かに荷物は多いです。でもそれは最高のパフォーマンスのため(日本代表 森メカニック談)

どうしてこんなに荷物が多いの?という疑問に答えてくれたのは、日本ナショナルチームを支えるメカニックの森氏。

「日本のナショナルチームは、全ての大会はもちろん、トレーニングキャンプでも最高のパフォーマンスを出せるように環境を整えます。荷物は大型が中心で、飛行機への積載量はワールドカップで70~90個、世界選手権・アジア選手権なら110~130個。重さは1t(トン)を超えます」

梶原悠未

中身は実際にトラックで乗る自転車、スペアの自転車、ロードバイク、人数分のディスクホイールやトレーナー(ローラー台)などです。

荷物が多くなる理由は「時間的な制約のために機材を交代で使うことができないから」。

大会時には運営からトレーニング時間が割り当てられますが、1日につき1時間〜1時間30分程度しかなく、ディスクホイールを使い回す時間的余裕がありません。

1st Round Repechage / Men's Keirin / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand

加えて試合当日は、レース出走時刻から逆算して分刻みでウォーミングアップを行うため、全員同時にトレーナー(ローラー台)を使用する時間帯も発生するため、人数分のトレーナーも必要となります。そのほかにもマッサージベッドや、疲労回復のためのメンテナンス機器も必要となりますし、とにかく荷物の量は多いです。

更に選手によってはマットレスを持ち込んだり、各選手の「勝つためのルーティーンに必要なもの」も持ち込む場合があります。 このように、遠征先でも普段の環境をなるべく整えられるように努力をしています。

荷物は無事に目的地まで届くの?

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