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ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチ

2016年のコーチ就任当初、私は「今の日本チームは赤子のようだ」と言いました。今は全く違います。精神も強くなり、自分の可能性を自覚し、その可能性を信じながらレースに臨んでいることを選手たちのコメントからもわかっていただけるかと思います。

ガールズケイリンインターナショナル2019

左からジェイソン・ニブレット短距離アシスタントコーチ、小林優香
太田りゆ、ブノワ・ベトゥ短距離ヘッドコーチ

Q:小林優香選手について

小林優香太田りゆの力も借りて、日本の出場枠を取りました。2016年のヘッドコーチ着任時は、東京オリンピックで女子がスプリント枠を取ることさえ考えられませんでした。2人ともその挑戦に応じて、時に世界チャンピオンを倒しながら(小林)優香がポイントを多く取りました。

辛い戦いでしたが、こうして枠の獲得が出来たので、ケイリンの世界の序列を揺るがす目標を持ってオリンピックに挑みます。

Men's Keirin Final / 2019 Track Cycling World Championships Pruszków, Poland

2019年世界選手権

Q:新田祐大選手について

日本の競輪におけるスターであり、プロ選手として10年間以上の経験もある(新田)祐大。彼の能力を一緒に基礎から磨き、パフォーマンスを向上させ、競技における立ち位置を確立するには彼にフィットするものを探す必要がありました。その結果、ハイレベルで彼が持つ能力を全て発揮できるようになりました。

2019世界選手権で銀メダル、2020世界選手権ではスプリントで5位となり、オリンピックでメダルを狙います。彼にとってオリンピックは子どもの頃からの夢。彼が先輩の背中を見て夢を抱いたのと同様に、彼の魅力と才能で日本の若者に夢を与えることを願います。

Final / Men's Keirin / 2020 Track Cycling World Championships, 脇本雄太 Wakimoto Yuta, ブノワ・ベトゥBenoit Vetu

2020年世界選手権

Q:脇本雄太選手について

脇本は独特な選手であり、乳酸に対する耐久力が並外れています。ベルリンで開催された2020世界選手権で窮地(きゅうち)に追い詰められたことを機に、周囲からの期待とプレッシャーを克服し、翼を広げて見事な結果を成し遂げました。

脇本はオリンピックをよく知っています。そして失敗も経験しているので、この辛い記憶を活かして「輝きたい、日本を感動させたい」という気持ちでオリンピックに挑むでしょう。みなさんご存知の通り、彼には家族と交わした約束があります。信義を重んじる男性ですので、約束はきっと守りるでしょう。

今、スポーツの歴史においても、日本の歴史においても、特異な点に我々は立っています。私たちには「歴史に残るような物語を書く」という役割が課されていると思います。それに一生懸命取り組む所存です。

クレイグ・グリフィン中長距離ヘッドコーチ

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