オランダ、ドイツが嵐を起こした男子の短距離
相変わらず男子短距離はオランダ勢、ドイツ勢が嵐でも起こしたように種目という種目を攻めに攻めて表彰台に上っていた。
男子のチームスプリントではドイツ、男子ケイリンはブフリ(オランダ・BEAT CYCLING CLUB)、スプリントはラブレイセン(オランダ)とオリンピック採用種目では、彼らが居なくならないと表彰台に空きがないのでは?と思わせるほど強かった。
他にも今大会では1kmタイムトライアルがあり、グレッツァー(オーストラリア)が唯一1分を切る59秒970を出し優勝するなど、世界の強豪が更に成長しているように見えた。
なおこの記録は平地記録で世界新記録だが、世界記録は56秒303で2013年にフランスのペルビスがメキシコのアグアスカリエンテス(標高1888m)で出したタイム。どこまでが平地でどこからが高地という線引きなのかは謎。
群雄割拠のケイリンで新田選手が決勝進出
ただ、それ以外の種目で日本の選手が活躍することはなく、ブノワジャパンの進化は見られるものの、どこかで更なる起爆剤が欲しいところ。
日本が東京オリンピックでメダル獲得を狙うのであれば、ブノワ監督が語るように最有力は、やはり男子ケイリンだろう。だが、その男子ケイリンのレベルがとにかく高くなっているために、正に群雄割拠の状態。
4月に世界選手権を制したアワン(マレーシア)、そして誰もが第2戦の優勝候補と名前を挙げていた2016年の世界選手権王者のアイラース(ドイツ)も2回戦(準決勝)で敗退し7-12位決定戦へと回った。
実績を伴った強豪ですら決勝に上がれないのだ。これだけでも新田選手が決勝に上がったことがどれだけ凄いことか理解してもらえるだろうし、どれだけ実力が拮抗しているかが判るだろう。
女帝フォーゲルの独壇場、女子短距離
女子の短距離は相変わらずフォーゲル(ドイツ)の独壇場。他にフォーゲルを脅かす選手が出てくるまでは勢力図はドイツが一番となり、その後にロシア、オランダと続く。
今回コンディションが整っているようには見えなかったが、リオ五輪でケイリンの金メダルを獲得したリグトレー(オランダ)も来ていたので、リグトレーがトップフォームになれば再び面白い勝負が観ることができると期待したい。
1戦に続き素晴らしいレースの小林優香選手
日本は小林優香選手が第1戦に引き続き素晴らしいレースを行った。ケイリンに出場して9位となった小林選手。結果として第1戦より成績を落とすことになったが、レースの内容は第1戦より濃かったと感じる。
2回戦ではコーチ陣すら納得のいかない降着扱いを受けるなど、少し残念な部分もあったが、今シーズンは経験を積ませるためのシーズンとブノワコーチは語っていた。正に小林にとってはその通りではないだろうか。今回のレースを糧に更に飛躍してもらいたい。
第3戦のミルトンはどうなる?
第3戦はブフリが「出たくない」、バベクも「休みたい」と言うなど、カナダで試合が行われるため、強豪が休む可能性は高い。
日本チームは次のワールドカップで実績を作り、2018年2月の世界選手権に向け、表彰台を是非とも勝ち取り、弾みをつける大会としてもらいたい。
Photo & Text : Mizuki Ida