マディソン強化には多くの実戦経験が必要

ホアン・ジャネラスコーチ

Q:ここまで選手たちを見てきて、日本のマディソンのレベルをどの辺りだと考えていますか?

高いとは言えませんが、普通というわけでもありません。その中間だと思います。特にマディソンはまだ女子では新たな種目ですから、日本よりも早くに強化を始めていた数カ国(オランダ、イギリス、ベルギー)は日本より強いと思いますが、強いチームが多いわけではありません。

マディソンが上手になるには6DAYSで経験を積まねばなりませんね。たくさんのレースを行えるので6DAYSでは本当にマディソンで必要なことが学べますよ。電光掲示板を見ながら走ることにも慣れますし、実戦を行うことによって、自分の頭の中で考えることと体がリンクしてくるというか・・・・考えが確信に変わっていくのです。

今回のように合宿を行うことも大事ですがレースと練習は別物なので、技術的な部分を練習で頭に入れて、レースで試していく。それがたくさん出来るのが6DAYSですね。

Q:今回は短期間ですが、ジャネラスコーチが教えようとしている主な点はどういったところでしょうか?

短期間なのでテクニックについてです。これまでのビデオを観ていると、選手たちは何が正しくて、何が間違っているのかを分かっている状態ではなかったようです。なので細かいテクニック、正しい走り方などを教えることで選手たちが上達できると思っています。

Q:それを考慮すると、日本チームは東京オリンピックの表彰台に手が届くのでしょうか?

女子はまだまだ若いですし、まだ1年間の時間があります。ですので、このまま上達を続けていければ、メダル獲得を視野に入れることは可能だと思いますよ。ただ、タイム系の競技ではないので、展開に左右されるレースです。ですので期待として話していると思って下さい。

Q:現在スペインでも様々な選手をコーチしていると思いますが、スペインと日本ではどちらがナショナルチームのレベルが高いでしょうか?

日本ですね。スペインは男子にトーレスとモラという選手がいますが、現状その2人位しか名前が挙がりません。

Q:なるほど。ちなみに日本のこの気候はどうですか?やはり厳しいですか?

いや、私にとっては最高ですよ!このような気候であれば勝てますね(笑)

10年以上前、最後に出場した世界選手権はマヨルカ島で行われたレースでした。そのべロドロームが新たに建設されていたのですが、現場の人から「全部OKだよね?」と聞かれたことがあったんです。その時私は「レース時にべロドローム内の気温を30度に出来れば全部OK」と答えたことがありました。

そして当時の世界選手権は2月だったにも関わらず、レース時には気温が32度、集団の多くは暑さでやられている中で、私は勝ちを得ました。ホームタウンでやるということはそういうことも含め、切れるカードは全部切る位でないといけません(笑)

まぁつまり、私は暑い環境が好きだということを言いたかっただけです(笑)

と最後には茶目っ気たっぷりなコメントで取材を締めくくってくれたジャネラスさん。この合宿が試金石となり、シーズン中に日本は結果を出すことは出来るのか?これからの大会ではマディソンからも目が離せないぞ!

尚、何故か短距離選手たちも現れ・・・・・ファミリー感が漂う一日となっていました。

ブノワ

なぜか新バイクをテストしていたブノワコーチ

脇本

なぜか隠れる脇本選手