ビッグネームの登場!マウンテンバイク→ロードレース編

シクロクロスと同様に、悪路走る事でバイクコントロールを身に付ける事が出来るマウンテンバイク。

マウンテンバイクとは、その名の通り山道などの悪路を走る競技で、急な斜面を下る「ダウンヒル」や、周回コースを上り下りする「クロスカントリー(XCO)」、そのほか4人以下の少人数で着順を競う「エリミネーター(XCE)」などがある。ロードレースの場合は、XCO出身がほとんどである。今年のツール・ド・フランスを制したエガン・ベルナルや、ビッグレースでエースとして活躍するペテル・サガン、ヤコブ・フルサンなどシクロクロスに負けを取らないビッグネームもマウンテンバイク出身だ。

エガン・ベルナル(チーム・イネオス/コロンビア)

ツールドフランス

記憶に新しいエガン・ベルナルのツール・ド・フランス制覇。そんなコロンビアの若きスターはマウンテンバイクXCO出身。

2016年にロードレースへと種目転向し、イタリア籍のプロコンチネンタルチーム、アンドローニ・ジオカットリに所属。1年目からその才能を発揮させ、2年目にはU23版ツール・ド・フランスとして名高い、「ツール・ド・ラブニール」で総合優勝を果たしプロ関係者らの目に止まる。2018年にチーム・スカイに移籍、そして今年2019年には出場2回目にしてツール・ド・フランス総合優勝を果たした。

名前 エガン・ベルナル Egan Bernal
生年月日 1997年1月13日
国籍 コロンビア
所属チーム チーム・イネオス
過去の成績 ・ツール・ド・フランス総合優勝(2019)

・ツール・ド・ラブニール総合優勝(2017)

・ツール・ド・スイス総合優勝(2019)

・パリ〜ニース総合優勝(2019)

Twitter @Eganbernal
Instagram @eganbernal

ヤコブ・フルサン(アスタナ・プロチーム/デンマーク)

CHAMPÉRY, SWITZERLAND - JUNE 16: Podium / Jakob Fuglsang of Denmark and Astana Pro Team Yellow Leader Jersey / Celebration / during the 71st Criterium du Dauphine 2019, Stage 8 a 113,5km stage from Cluses to Champéry - Montée de Champéry 1036m / #Dauphine / @dauphine / on June 16, 2019 in Champéry, Switzerland. (Photo by Tim de Waele/Getty Images)

ヤコブ・フルサン Photo by Tim de Waele/Getty Images

ツール・ド・フランスを始め、ビッグレースでのエースを務めるヤコブ・フルサン。U23時代にはロードレースと並行しながら、マウンテンバイクXCO世界選手権U23にて優勝。2009年からチーム・サクソバンクへと移籍し、本格的にロードレースへと転向した。

今年の春先のクラシックレースでは、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)と共に積極的に逃げ、表彰台やシングル順位を連発。逃げ切り優勝を飾った「リエージュ・バストーニュ・リエージュ」では、下り坂での猛スピードの神業回避が話題となり、改めてプロ選手のバイクコントロール力にファン達は度肝を抜かれた。

2019年のツール・ド・フランスは落車リタイアに終わったが、来年で35歳を迎えるベテランの走りに期待したい。

名前 ヤコブ・フルサング Jakob Fuglsang
生年月日 1985年3月22日
国籍 デンマーク
所属チーム アスタナ・プロチーム
過去の成績 ・クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ総合優勝(2017,19)

・リエージュ・バストーニュ・リエージュ(2019)

・リオオリンピック ロードレース2位

Twitter @jakob_fuglsang
Instagram @jakobfuglsang_official

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)

ロードレース世界選手権2019

ペテル・サガン(スロバキア)

ロードレースでも巧みなバイクコントロールを見せるペテル・サガン。マウンテンバイクXCO出身のサガンはジュニア時代の2008年にマウンテンバイクジュニア世界王者へと輝き、2010年にはチーム・リクイガスにてプロデビュー。以降ロードレース世界選手権3連覇など、スター選手として活躍中。

リオオリンピックではスロバキア代表としてマウンテンバイクに出場。2度のパンクによって結果は振るわなかったが、久々のマウンテンバイクレースにも関わらず序盤は先頭集団で走るなど、元マウンテンバイクジュニア世界王者としての意地を見せた。

名前 ペテル・サガン Peter Sagan
生年月日 1990年1月26日
国籍 スロバキア
所属チーム ボーラ・ハンスグローエ
過去の成績 ・UCIロードレース世界選手権優勝(2015-17)

・ツール・ド・フランス ステージ12勝(2012,13,16-19)
ポイント賞7回獲得(2012-16,18,19)

・パリ〜ルーベ優勝(2018)

・UECロードレースヨーロッパ選手権優勝(2016)

・ツール・デ・フランドル(2016)

・リオオリンピック マウンテンバイク出場

・UCIマウンテンバイク世界選手権ジュニア優勝(2008)

Twitter @petosagan
Instagram @petosagan

BMX→トラック競技

探せば以外といる、BMX出身のトラック競技選手。BMXとは、「バイシクルモトクロス」の略で、順位を競う「BMXレース」や、スケートボードなどのように技を競う「BMXフリースタイル/パーク」の2種類がある(今回紹介するのはBMXレース)。

スタートダッシュやスプリント力、ゴールまで全開で漕ぎ続ける持久力が求められるスピード感溢れる競技で、2008年北京オリンピックからBMXレースがオリンピック種目として採用された。

ハリー・ラブレイセン(オランダ)

今やトラック男子短距離界最強とも言えるハリー・ラブレイセン

2016年まではBMX選手として活躍し、ヨーロッパ選手権および国内選手権を制した過去を持つ。しかし、度重なる肩の怪我によってBMXを引退。

その後、トラックナショナルチームからスカウトを受けトラック競技へと転向。デビュー1年目にはトラックナショナル選手権エリートにてスプリント2位、ケイリン3位に。

翌年2017年にはUCIトラック世界選手権デビュー。以降世界選手権、UCIトラックワールドカップ、トラックヨーロッパ選手権など数々の国際大会で勝利とメダルを量産。2020年トラック世界選手権では短距離種目男子三冠。

23歳のラブレイセンは間違いなく今後の男子トラック界を牽引していく存在となるだろう。

名前 ハリー・ラブレイセン
生年月日 1997年3月14日
国籍 オランダ
過去の成績 ・UCIトラック世界選手権男子チームスプリント優勝(2018,19,20)

・UCIトラック世界選手権男子スプリント優勝(2019,20)

・UCIトラック世界選手権男子ケイリン優勝(2020)

・UECトラックヨーロッパ選手権チームスプリント優勝(2018,19)

・UECトラックヨーロッパ選手権ケイリン優勝(2019)

Twitter @harrielavreysen
Instagram @harrielavreysen

長迫吉拓(日本)

長迫吉拓

日本のBMX界を牽引する長迫吉拓。日本ナショナルチームのブノワ・べトゥコーチに才能を見出され、2017年にはBMXレーシングとトラック競技短距離の二刀流選手として活動。BMXで培ったダッシュ力を武器に、チームスプリントでは第1走を務めた。

2019-2020UCIトラックワールドカップ第5戦男子チームスプリントに急遽日本代表としても参戦し、ワールドカップ金メダルを獲得するなど、BMXで培ったダッシュ力がトラック競技の世界でも通用する事も証明。

【詳報】因縁の対決を制した日本、2大会連続の金メダル獲得/男子チームスプリント(新田祐大/深谷知広/長迫吉拓)・2019-2020トラックワールドカップ第5戦オーストラリア

名前 長迫吉拓
生年月日 1993年9月16日
国籍 日本・岡山県
過去の成績 ・BMX全日本選手権優勝(2011-2015,2017)

・2018アジアトラック選手権男子チームスプリント銀メダル

・BMXアジア大会優勝(2018)

・2019-2020UCIトラックワールドカップ第5戦男子チームスプリント優勝(2020)

Twitter @YOSHITAKING993
Instagram @yoshi993nagasako

ブフリがマウンテンバイクに!?…おまけ編

8月15日にベルギーにて開催されたUCIマウンテンバイクエリミネーター世界選手権にて、オランダ代表としてマティエス・ブフリ(BEAT Cycling Club)とジェフリー・ホーフラントが出場していた。

腕試しとして出場したのか、それともいつかはマウンテンバイクに挑戦するのか…。真相はわからないが、マウンテンバイクの選手と比べてもトラック選手特有の体格と太ももの大きさが凄まじい。