こぼれ落ちた表彰台
今月始めに行われた『世界選手権トラック2019』女子オムニアムでは惜しくも4位。
日本史上初となる世界選手権での表彰台、その快挙を前にして栄光は掌からこぼれ落ちてしまった。
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そう、こぼれ落ちてしまったという表現が正しいだろう。
ジュニア時代から着実に実力を伸ばし、今回の世界選手権で世界から間違いなく注目される選手になった梶原悠未。表彰台へは本当に“あと一歩”だった。
若干21歳、東京オリンピック世代の中心とも呼べる日本の中長距離のエースが大粒の涙を流す中、口から最初に出た言葉は「悔しいです」そして「まだ足りない」だった。
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悔しさに溢れたオムニアムから一夜明け、古山稀絵と共に挑んだマディソン。その時には気持ちを切り替えることが出来ていたのか、前日の結果を感じさせることなく普段の彼女に戻っていたようにも見えた。
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「悔しい気持ちでいっぱいでしたが、戦術を指導してくれたコーチから昨日のオムニアムについてアドバイスをもらいました。それでレースの反省点、改善点が浮かび上がり、気持ちを切り替えることができました。」
そう語る彼女だが、オムニアムで何を感じたのか、最後のポイントレースで彼女は何を見ていたのか、改めてその点について尋ねた。