『競輪ワールドシリーズ2026』。山口県・防府競輪場にて行われている第1戦の初日は外国人選手が強烈な走りを見せ、SNSでもその強さに驚きの声が相次いでいた。
2日目は午後になると雨が降り始め、あいにくの悪天候に。普段、室内で競技を行うトラック競技の選手にとっては慣れない環境になるが、いったいどんな走りを見せてくれたのか。
“脚見せ”の時にはユニフォームの色のカッパを着用。雨の日だけのレアな光景かもしれない。
本記事では、2日目に外国人選手が出場したレースのレポートと、最終日の出走表と並び予想を掲載する。
6R 3車並走でもエレセ・アンドルーズ(ニュージーランド)が強さを見せる
| 車番 | 選手名 | 府県/期別 |
| 1 | 是永ゆうき | 大分/126期 |
| 2 | 田中まい(追加) | 千葉/104期 |
| 3 | 山本さくら | 愛知/120期 |
| 4 | 吉岡詩織(追加) | 広島/116期 |
| 5 | エレセ・アンドルーズ | ニュージーランド |
| 6 | 枝光美奈(追加) | 福岡/124期 |
| 7 | 黒河内由実 | 長野/110期 |
打鐘の残り1周半のタイミングで山本(赤)が後方から仕掛けて先頭へ。最終周に入る手前で後方からアンドルーズ(黄)もペースを上げて、逃げる山本との差を徐々に詰めていく。バックストレートで吉岡(青)が外から仕掛けるとアンドルーズ(黄)も反応し、山本(赤)と3人で並びながら3コーナーへ。
しかし、アンドルーズ(黄)が山本(赤)をかわして先頭へ出ると、最終ストレートでさらに伸びて1着でフィニッシュ。
3人並走の中央に挟まれる形となったが、強さを見せ連勝を果たした。
競走結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
| 1 | 5 | エレセ・アンドルーズ | 10.3 | 捲り | ||
| 2 | 6 | 枝光美奈(追加) | 1車身1/2 | 10.3 | マーク | |
| 3 | 4 | 吉岡詩織(追加) | 1/2車輪 | 10.5 | ||
| 4 | 2 | 田中まい(追加) | 1/2車輪 | 10.2 | ||
| 5 | 1 | 是永ゆうき | 1車身1/2 | 10.3 | ||
| 6 | 7 | 黒河内由実 | 2車身 | 10.7 | ||
| 7 | 3 | 山本さくら | 1車身1/2 | 11.1 | HB |
1着 エレセ・アンドルーズ コメント:「短いスプリントでも上手くいった」
少しひやっとするレースになりました。まだ少し緊張していますが、昨日よりも学ぶことができています。昨日のレースは長いスプリントだったので、今日は少し待つプランを取りました。短い距離のスプリントに挑みましたが、トップスピードを出せたので良かったと思います。
コンディションも良いですし、安全な走りができると思っていたので、雨のレースも不安はありませんでした。最終コーナー付近は3人が並走する形でしたが、競技でも慣れているので問題はありません。動けないことが1番良くないので、加速できるスペースを確保して、その場所を保つことが大切でした。
ここまで本番のレースを2回走りましたが、楽しめていますし、学びも多いです。明日の決勝も、昨日や今日と同じように、自分で仕掛けるタイミングを決めて臨みたいと思います。
7R 捲り合戦を制したマチルド・グロ(フランス)
| 車番 | 選手名 | 府県/期別 |
| 1 | 當銘沙恵美 | 愛知/118期 |
| 2 | 國村美留莉 | 山口/118期 |
| 3 | マチルド・グロ | フランス |
| 4 | 石田春海 | 大阪/128期 |
| 5 | 北津留千羽 | 福岡/128期 |
| 6 | 橋本のこ(追加) | 愛知/128期 |
| 7 | 久米詩(追加) | 静岡/116期 |
打鐘の残り1周半のタイミングで後方から橋本(緑)とグロ(赤)が前へと進出しようとするも、3番手で前と車間を空けていた久米(橙)が牽制しつつ抑えていく。
最終周に入り、久米(橙)と國村(黒)が前の2人を外から捲りにいくと、さらにその外から強烈なダッシュを見せてグロ(赤)も捲りにいく。
内側に久米(橙)、外側にグロ(赤)が先頭で並んだままコーナーを駆け抜けるが、最終ストレートで伸びてきたのはグロ(赤)。久米(橙)との捲り合いを世界のスピードで制したグロ(赤)が勝利を収めた。
競走結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
| 1 | 3 | マチルド・グロ | 9.9 | 捲り | ||
| 2 | 7 | 久米詩(追加) | 1車身1/2 | 10.2 | 捲り | B |
| 3 | 2 | 國村美留莉 | 1車身 | 10.2 | ||
| 4 | 1 | 當銘沙恵美 | 2車身 | 10.4 | H | |
| 5 | 5 | 北津留千羽 | 1車身1/2 | 10.5 | ||
| 6 | 6 | 橋本のこ(追加) | 1/2車輪 | 10.2 | ||
| 7 | 4 | 石田春海 | 1/2車身 | 10.4 |
1着 マチルド・グロ コメント:「今日も、明日も、毎日全力で」
雨の中でのレースは久しぶりだったので、新たな経験のつもりで挑みました。スタートした後の周りの動きを見て、仕掛ける機会を待っていました。ただ今日はバックストレートからコーナーにかけて、(久米)詩と距離が離れてしまったのは反省点です。
競輪を走れることは“クール”ですし、日本の選手と走れるのは楽しく学びもあります。7年前と比べて日本の選手もみんな成長していますし、とても強いです。全力を尽くすのは毎日のことですが、最後まで頑張ります。
2着 久米詩 コメント
感覚的にはもがけているし、コンディションも悪くないです。レース展開の組み立て自体は上手くいったと思います。だからこそ脚力が足りていないことを実感させられるのですが……ただすごく良い経験ができていると思います。
9R 新田が差して1着。トゥルーマンは洗礼を浴びる
| 車番 | 選手名 | 府県/期別 |
| 1 | 椎木尾拓哉 | 和歌山/93期 |
| 2 | 新田祐大 | 福島/90期 |
| 3 | ジョセフ・トゥルーマン | イギリス |
| 4 | 角宗哉(追加) | 山口/125期 |
| 5 | 東龍之介 | 神奈川/96期 |
| 6 | 橋本智昭 | 宮城/99期 |
| 7 | 三宅達也(追加) | 岡山/79期 |
残り2周の1コーナーを過ぎたタイミングで、中団にいた角(青)-三宅(橙)が早めに仕掛けを開始し先頭へ。残り1周半を前に後方からトゥルーマン(赤)が一気に加速するも三宅(橙)のブロックを受ける。
トゥルーマン(赤)は外へ膨らみながらも乗り越え、先頭に立つと最終周へ。その後ろに内側をついた新田(黒)がぴったりと追走していく。
最終コーナーで新田(黒)がトゥルーマン(赤)をかわしていき1着でフィニッシュラインを通過。
トゥルーマンは粘ったものの、地元の角にも差されて3着となり、決勝進出はならず。競輪特有の“ブロック”の洗礼を浴びる形となった。
競走結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
| 1 | 2 | 新田祐大 | 9.3 | 差し | ||
| 2 | 4 | 角宗哉(追加) | 1車身 | 9.4 | マーク | |
| 3 | 3 | ジョセフ・トゥルーマン | 1/8車輪 | 9.6 | HB | |
| 4 | 7 | 三宅達也(追加) | 3/4車身 | 9.3 | ||
| 5 | 6 | 橋本智昭 | 3/4車輪 | 9.3 | ||
| 6 | 1 | 椎木尾拓哉 | 1/2車輪 | 9.2 | ||
| 7 | 5 | 東龍之介 | 7車身 | 9.9 |
1着 新田祐大 コメント:「がむしゃらに踏み込んだ結果」
前でトゥルーマンがブロックされたことで進路ができました。ただ最終周もトゥルーマンは良いペースだったので、がむしゃらに踏み込んで勝つことができました。余裕はなかったです。
(決勝はハリー・ラブレイセンとラインを組むことに対して)ラブレイセンから「付いてほしい」と声をかけられました。ラブレイセンが好きに走れなくなる可能性もあるので「こんなことはできると思う」と話し合ったなかで、決まりました。
競輪ワールドシリーズが始まる時、長迫吉拓※と「ラブレイセンと戦えるといいね」と話していたんですが、仲間として一緒に走ることになるとは思ってませんでした。ファンの方々にとって楽しみにしてもらえたら良いですね。
※BMX競技からトラック競技に転向した。ラブレイセンもBMXから転向しており、当時から親交があったという※
3着 ジョセフ・トゥルーマン コメント:「予想していないブロックだった」
雨のレースでしたが問題はありませんでした。精一杯全力で走りましたけど、予想していないブロックがあり勝つことができませんでした。もちろん悔しいですけど、明日も頑張ります。
10R まだまだ底力が見えない“絶対王者”
| 車番 | 選手名 | 府県/期別 |
| 1 | 阿部将大(追加) | 大分/117期 |
| 2 | 佐々木龍 | 神奈川/109期 |
| 3 | 大屋健司 | 広島/87期 |
| 4 | 中村圭志 | 熊本/86期 |
| 5 | ハリー・ラブレイセン | オランダ |
| 6 | 長谷部翔 | 静岡/109期 |
| 7 | 久保田泰弘 | 山口/111期 |
阿部(白)-中村(青)-久保田(橙)-大屋(赤)-ラブレイセン(黄)-佐々木(黒)-長谷部(緑)の並びで落ち着き、周回を重ねて迎えた残り2周。
ラブレイセン(黄)が1コーナー過ぎから早めにスプリントを仕掛けると一気に先頭へ。ラインを組んでいた佐々木は付いていくことが出来ずにラインは崩壊してしまう。後ろをチラチラと見ながら走るラブレイセンだが、単独で最終周に入った時点で2番手の阿部(白)に2車身ほどの差をつけていく展開となった。
他の選手たちが懸命に追いかけて差を詰めていくものの、全員を振り切ったラブレイセン(黄)がそのまま1着でフィニッシュ。まだ余力を残した印象さえ受ける“絶対王者”が見事1着で決勝進出を決めた。
競走結果
| 着 | 車番 | 選手名 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
| 1 | 5 | ハリー・ラブレイセン | 9.4 | 逃げ | HB | |
| 2 | 1 | 阿部将大(追加) | 2車身 | 9.4 | マーク | |
| 3 | 4 | 中村圭志 | 1/2車身 | 9.3 | ||
| 4 | 7 | 久保田泰弘 | 2車身 | 9.3 | ||
| 5 | 3 | 大屋健司 | 1/2車輪 | 9.3 | ||
| 6 | 2 | 佐々木龍 | 2車身 | 9.7 | ||
| 7 | 6 | 長谷部翔 | 4車身 | 9.7 |
1着 ハリー・ラブレイセン コメント
コンディションも良く、雨も問題なかったです。良いレースができたと思います。この2日間勝つことができていますし、明日は初めての決勝レースになりますが楽しみにしています。(バンクレコードを期待していると伝えられ)ベストを尽くして頑張ります。
2着 阿部将大 コメント
ラブレイセンが打鐘の前から仕掛けてくるのは予想外でした。強かったですね……。全開で追いかけましたが、なかなか距離を詰められませんでした。今日は決勝への勝ち上がりを意識した分、明日は勝つためにラブレイセンをどう攻略していくかを考えようと思います。
