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速さの裏にある、10秒に全てを出し切る苦しさ

太田海也, OTA Kaiya,ニコラス・ポール,Nicholas Paul,ハリー・ラブレイセン,Harrie Lavreysen,トム・デラシェ,Tom Derache,ダニエル・バーバー,Daniel Barber,マシュー・リチャードソン,Matthew Richardson,男子ケイリン, MEN'S KEIRIN,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

Q:中長距離は全くの未経験ですか?

本当に少しだけ経験しています(笑)U17の時に国内選手権でチームパシュートに出て4位になったことはありますが、時が来たら短距離にコミットすることは考えていました。

Q:短距離にフルコミットする選手って、いつもかなり苦しんでいるように見えます(笑)

そうですね。1度に全てを出し切れる能力を備えているからこそですね(笑)

Q:特にリチャードソン選手は出し切って、倒れこんで、嗚咽している。そういう姿をよく見ますが、怖さみたいな感情はありませんでしたか?

もう慣れた…そういうことにしておきます(笑)

トラック競技の短距離種目は短時間に何度も走らなければなりません。その1回1回の「10秒」に全てを出し切っていくと、あとは何のパワーも残らないわけです。痛みや苦しみはもちろんあるのですが、その感覚がなければ出し切っていないわけで、苦しみは自分の中の指標になっています。

ケイリンでロングスパートをした後などは、脚の痛みとともにお腹の中の物も吐き出してしまいます(笑)特殊なスキルを身に付けたと思いますね。

マシュー・リチャードソン, RICHARDSON Matthew, GBR, 男子ケイリン, 決勝, MEN Elite Keirin, Final, 2026ワールドカップ第1戦, オーストラリア, パース, 2026 UCI Track World Cup, Round 1, Perth, Australia

Q:その光景はよく見ます(笑)

ただ、取り扱いには慣れてきましたよ(笑)トレーニング方法を少し変えて、吐かないように。確か2024年だったと思いますが、太田海也選手と決勝で3本目まで走った時はマジでヤバかったです。完全に昇天しました(笑)

一方、今年のヨーロッパ選手権ではスプリントでラブレイセンと3本目までもつれましたが、太田とのレースみたいにはなりませんでした。だからやってきたトレーニングの効果が出ていると思います。レースが終わったあとに、頭に少し水をかける程度で済んだので「俺、めっちゃ凄いアスリートになってるじゃん!」って思いました(笑)

もう今までの自分ではなかったんです。とても気持ち良かったです。

僕のスピード、成長ぶりを見てもらえば分かると思いますが、ずっと右肩上がりなんです。でもまだまだ成長過程ではあるので、肉体の強化、そしてリカバリーの方法などを考えて、まだまだ強く、速くなっていきたいですね。

まぁ、それでもヤバい時はヤバいのですが…徐々に改善しています(笑)なので少しずつですが、よりアスリートの身体になってきていると言えると思います。

Q:いくつまでアスリートを続けていくか考えていますか?

いつまででも可能な限り!

Q:勝負師って感じですよね!

予選で20位だけど、まだ走れるから走る。そういった選手にはなりたくないですね。やるならばトップを狙える位置にいたいし、そうでなければもう十分だと思って引退すると思います。まだまだその時は先だと思いたいですが。

勝負師って言われればそうなんだと思います。スイッチのオンオフはできるのですが、勝負ってなった時はそれが何であれ、勝ちに行っちゃいます。でもこれって家族の細胞レベルの話というか、ミニゴルフで家族と勝負しても全員勝ちにいきます。先週もおじいちゃん、おばあちゃんと勝負しました。楽しむムードではありつつ、全員「勝ちに行く」スタイルなので…。やっぱり細胞レベルで勝ちを求める家系なんだと思います(笑)

自分自身との勝負。9秒切りへの挑戦

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