今年最後のG1にして、『KEIRINグランプリ2025』出場者が決まるレースとして注目を集めた『第67回朝日新聞社杯競輪祭』決勝。

結果は、伏兵・阿部拓真が優勝。嬉しい初G1制覇を飾るとともに、年末の大一番の切符を手に入れた。

11月24日 12R 決勝

枠番 車番 選手名 府県/期別
1 1 古性優作 大阪/100期
2 2 荒井崇博 長崎/82期
3 3 松井宏佑 神奈川/113期
4 4 山田久徳 京都/93期
5 吉田拓矢 茨城/107期
5 6 阿部拓真 宮城/107期
7 山田英明 佐賀/89期
6 8 渡部幸訓 福島/89期
9 松本貴治 愛媛/111期

レースレポート

即席ラインも多い細切れ戦。展開の予想も困難を極めたが、スタートから主張したのは荒井。

ラインを組んだ松本を迎え入れると、その後ろには“107期コンビ”の吉田-阿部、古性-山田久の近畿ラインが続き、松井-渡部のライン、最後方から単騎の山田英という展開。

淡々と、しかしピリピリとした緊張感が満ちるなか進むレースが動いたのは残り2周に入る直前。

松井が渡部を引き連れ先頭へ、そしてそれに山田英が続く形で残り2周。

間髪入れずに近畿ラインが上がっていくと、山田英はそこに切り替えていく。

一気に熱を帯びるレース。打鐘直前で一気に動いたのは吉田と阿部。107期の2人が前に立つと、そこを目掛けて松本-荒井が仕掛けていき最終周へ。

バックストレッチで捲りを開始したのは吉田。

荒井が吉田をブロックすると同時に、外から古性、内から山田英も進出。ごった返して最終局面へ。

最後の直線。抜け出したのは荒井。悲願の初G1制覇かと思われたが、その外から阿部が強襲。

大外に出した松井、間から山田久も伸びてくるが、フィニッシュ直前で前に出たのは阿部。

デビュー10年目。G1で準決勝に進んだのも今回が初めて、という阿部が競輪祭の覇者に。

2着は荒井、3着は松井。ともにグランプリ出場が目前まで迫ったが、わずかに叶わなかった。

なお、最後の直線で渡部が落車。
再乗し9位入線したが、審議の結果過失走行で失格となった。

競走結果

車番 選手名 着差 上り 決まり手 H/B 個人状況
1 6 阿部拓真 11.2 差し
2 2 荒井崇博 3/4車輪 11.4 差し
3 3 松井宏佑 1/2車輪 10.8
4 4 山田久徳 1/4車輪 11.0
5 7 山田英明 3/4車輪 11.2
6 9 松本貴治 1車身1/2 11.7 HB
7 1 古性優作 1 車身 11.5
8 5 吉田拓矢 3/4車輪 11.7
失格 8 渡部幸訓 過失走行 落再入 入線順位:9

「いつがグランプリかもわかってない」男のまさかの優勝

最後のG1、大逆転でグランプリの切符を手にしたのは、前日までの選考賞金ランキングで「133位」だった阿部拓真。G1で準決勝に進出したのも今回が初、そこから一気に戴冠というドラマティックな幕切れとなった。

仲間たちの胴上げで高く舞った後に行なわれた優勝会見では、「みんながびっくりしている」「いつがグランプリかもわかってない」などキラーフレーズを連発し、集まった記者たちを笑わせた。

なお、グランプリ最後の1枠は選考賞金ランキングの争いを辛くも守り切った南修二。初のグランプリ出場権を手にした。

『KEIRINグランプリ2025』出場予定選手決定 2026年の「S級S班」はこの9人

爆笑に沸いた優勝インタビュー

1/2 Page